農林中金の国債10兆円売却に関してのゼロヘッジの見解

 

18日に報じられたこの件は、日本では話題になっていないですが、海外では大きな話題となっています。これは日本の年金の毀損であり、同時に、世界中の他の銀行に連鎖する日本初のリーマンショック的なニュアンスも含まれているようです。


zerohedge

農林中央金庫(農中)は日本の農家の銀行で、日本の農業・漁業団体からの預金約 6000億ドル (約95兆円)を保有している。日本のこれらの労働者の年金の大半はここに保管されている。

最近まで、農中は CLO (ローン担保証券)のクジラとしてよく知られていた。同行は米国のさまざまな CLO(少なくともリスクの低いトランシェでは)に 400億ドル (約6兆3000億円)以上を投資しており、世界最大の CLO 購入者の1つとなっていた。

2022年、農中は英国債券市場が崩壊寸前となり、それに続く信用市場のショック、そしてイングランド銀行の救済事案を受けて CLO の購入を停止した。

そして今、日本の農家が貯蓄を預けていたこの銀行は、金利の上昇と債券価格の急落の結果、膨大な債券ポートフォリオにおける外国債券の未実現損失が数十億ドルに上ることをついに認め、債券保有額の巨額を売却せざるを得なくなった。

未実現損失の穴埋めのため、31兆円の債券のうち 10兆円を売却する予定だ。

農中銀行がさらに良いお金を投じてくれる投資家を見つけられなければ、銀行の負債である農業者の年金は毀損される(大幅に減額される)。

これは、年金が歴史的に神聖視され、最も安全な証券にのみ投資されてきた日本という国(40年間のゼロ金利政策により、キャピタルゲインを期待する人はほぼいなかった)で、金融政策の誤りにより日本の年金受給者が大きな損失を被った最初の、そして最も顕著な例となるだろう

農中銀行の 10兆円超の清算に先んじて売りが連鎖的に発生した場合、他にどれだけの銀行が損失を被ることになるのだろうか?

今後数か月/数年のうちに、破綻しつつあるシステムに生涯の仕事を託したために、生涯の貯蓄が削減されたり、消滅したりする年金受給者はあと何人いるだろうか?