「病気の時代」カテゴリーアーカイブ

「英国の病院のケア基準が『崩壊』、患者は廊下で死亡 」という報道

昨年の英国の救急外来の患者数は過去最多になっていました。理由はいろいろでしょうけれど。





英病院のケア基準「崩壊」、患者は廊下で死亡 看護師労組報告

AFP 2025/01/17

英国では病院が過剰に混雑し、ケア基準が崩壊する中、患者は治療を待つ間に廊下で死亡しているとする報告書が16日、発表された。

英看護師労組「王立看護協会」が昨年12月に実施した国民保健サービス(NHS)に関するアンケート調査で、NHSの看護師10人中9人が「患者の安全が危険にさらされている」と回答した。

約7割(66.8%)の看護師が廊下や改築された物置、駐車場、さらには遺族控室などの「過密または不適切な場所」で「日常的に」ケアを行っていると答えた。

「全国5000人以上の看護スタッフの経験は、ケア基準の壊滅的な崩壊を浮き彫りにし、患者が日常的に危険にさらされていることを示している」と王立看護協会は報告した。

報告書によると、救命機器がない狭いスペースで看護師が「廊下ケア」を行うことが「常態化」しているという。

イングランド東部のある看護師は、勤務する病院では廊下ケアが「例外ではなく、規則だ」と述べた。

先月、イングランドの救急部門では約5万4000人の患者が病院のベッドが利用可能になるまで12時間以上待たなければならず、その割合は2023年12月から23%増加した。

キア・スターマー首相は、NHSの改善を含む公約を掲げて昨年7月に選出され、今年初めに病院の負担を軽減するために地域の健康センターを拡充する計画を発表した。

ウェス・ストリーティング保険・社会福祉相は15日に、廊下ケアは「安全ではなく」「尊厳を欠いている」としつつ、NHSの改善には時間がかかると述べた。




韓国:抗生物質が効かないスーパーバクテリアでの死亡者数が過去5年で17倍に増加

以下は、10年前の記事ですが、着々と抗生物質が効かないバクテリアの拡大は続いているようです。

最終救済薬コリスチンを含めた「すべての抗生物質が無効」のウルトラ耐性菌が猛スピードで全世界に拡大している
In Deep 2015年12月7日

コロナ後も、風邪やらインフルエンザやらで抗生物質を処方する事例も増えていると見られ、この傾向はさらに拡大すると思われます。





昨年上半期に439人死亡…「スーパーバクテリアのラスボス」CRE感染の死亡急増=韓国

中央日報 2025/01/16

韓国でどんな抗生剤も効かず「スーパー細菌」「スーパーバクテリア」と呼ばれる細菌感染が急増し、これにより死亡する患者が大きく増加している。

議政府(ウィジョンブ)聖母病院泌尿医学科のペ・ソンラク教授は16日に韓国国会で開かれた「抗生剤多剤耐性菌尿道感染の効果的統合対応体系構築に向けた政策討論会」でこうした事実を公開した。討論会は野党「共に民主党」のパク・ヒスン議員が主催した。

スーパーバクテリアと呼ばれる問題の細菌は、カルバペネム系の抗生剤に効果がない腸内細菌(CRE)だ。

医療機関からCRE感染症患者が発生したと報告があった件数が2017年の5717件から毎年増加し、2023年には3万8405件に増えた。5年間で5.3倍に増えた。昨年1~6月には2万5533件の報告があり、さらに急激に増加している。

死亡者は5年間で37人から633人に17.1倍増えた。昨年1~6月には439人が死亡している。

カルバペネム系の抗生剤はいま使える最後の抗生剤とされる。この薬を使ったのに効かなければ使える薬は特にないという意味だ。

こうした事態が広がる最大の理由は、抗生剤の無分別な使用と誤用のためだ。

ペ教授は「(韓国の)抗生剤使用量が経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち8位を占める」と懸念する。尿道感染や腎盂腎炎などの患者に抗生剤を無分別に使うのが問題で、これらの疾患は所得が低いほど発病率が高いという。

ペ教授は世界保健機関(WHO)の警告を引用した。2050年の世界の主要死亡原因を予測したところ、がんによる死亡者が820万人、抗生剤耐性菌による死亡者は1000万人と示されたという。

昨年の抗生剤耐性管理予算は18億ウォン(約 1.9億円)だ。仁済(インジェ)大学病院泌尿医学科のミン・グォンシク教授は「韓国の医療は世界トップだが水面下には後進国水準の分野がまれにある。韓国政府が福祉には予算を多く使いながら国民の基本権である健康権には投資しない」と批判した。




WHOがタンザニアでのマールブルグ病と見られるアウトブレイクを通知。現在の致死率は89%

致死率が高いとはいえ、感染が確認されたのは、たった 9人です。





マールブルグウイルス病の発生の疑い – タンザニア

WHO 2025/01/14

Outbreak of suspected Marburg Virus Disease – United Republic of Tanzania

状況の概要

2025年1月10日、WHO はタンザニア連合共和国のカゲラ地域で、マールブルグウイルス病(MVD)の疑いのある症例について、国内の情報源から信頼できる報告を受けた。

6人が感染し、そのうち5人が死亡したと報告されました。症例は頭痛、高熱、背部痛、下痢、吐血、倦怠感、そして病気の後期には外出血(開口部からの出血)という同様の症状を示した。

2025年1月11日現在、ビハラムロとムレバの 2つの地区で、8人の死亡(致死率 89%)を含む 9人の疑いのある症例が報告されている。

2人の患者からサンプルが採取され、国立公衆衛生研究所で検査された。結果は公式の確認を待っています。医療従事者を含む接触者は両地区で特定され、追跡調査中であると報告されている。

カゲラ地方のブコバ地区では、2023年3月に初めてマールブルグ病の発生が見られ、オオコウモリなどの人獣共通感染症の病原体がこの地域に定着したままとなっている。2023年3月の発生は 2か月近く続き、 9人が感染して 6人が死亡した。

このマールブルグウイルス病が疑われる発生リスクは、いくつかの懸念される要因により、タンザニア全土レベルで高いと評価されている。

影響を受けた疑わしい症例には医療従事者も含まれており、院内感染のリスクが浮き彫りになっている。発生源は現在不明だ。

現時点では世界的なリスクは低いと評価されている。




「韓国で8年ぶり最大規模のインフル流行…コンビニの風邪薬販売急増」という報道

韓国人も薬が大好きなようです。





韓国・8年ぶり最大のインフル流行…コンビニの風邪薬販売急増

KOREA WAVE 2025/01/13

韓国で8年ぶりに最大規模のインフルエンザ流行が広がる中、コンビニエンスストアで販売される風邪薬の売り上げが大幅に増加している。

疾病管理庁によると、昨年最後の週(12月22日~28日)のインフルエンザ疑似患者数は、外来患者1000人あたり73.9人に達し、今シーズンの流行基準値である8.6人を大幅に上回った。

インフルエンザ患者は全ての年齢層で増加しており、特に13~18歳(151.3人)が最も多く、次いで7~12歳(137.3人)、19~49歳(93.6人)の順で高い感染率を示している。

これを受け、コンビニでの風邪薬販売が急増。GS25では12月27日から1月2日に風邪薬の売り上げが前週比34.4%増加し、解熱剤「タイレノール」(※ アセトアミノフェン)などの売り上げも26.2%伸びた。同期間、コロナ自己検査キットの売り上げは33.3%、マスクは26.8%増加している。

また、CUでも同期間の風邪薬売り上げが前週比27.4%増加。風邪症状の緩和を助けるホットドリンク(梨茶、はちみつ茶、桔梗茶など)の売り上げも10.8%増加した。

多くのコンビニが風邪薬、解熱剤、消化剤など13種の安全常備薬を販売しており、24時間営業で薬局が閉まっている時間帯に緊急医薬品購入先として重要な役割を果たしている。

GS25によると、常備薬の売り上げの57%以上が薬局が閉まっている午後6時~翌朝6時の間に集中している。GS25の関係者は「平常時の2倍以上の在庫を確保し、需要に対応している。24時間体制で緊急医薬品プラットフォームの役割を果たしていきたい」と述べた。