ゼレンスキー氏が、ウクライナのメディアに対する弾圧を拡大。独断でメディア閉鎖の権限を持つ法律に署名

(※) ウクライナの「キエフ・インディペンデント」紙の報道からですが、さすがに、この法律にはウクライナのメディア全体が反発しているようです。でも、可決してしまいましたので、ウクライナはさらに独裁国家として歩みます。


ゼレンスキー氏がメディア法に署名。ウクライナのジャーナリスト団体から権威主義として批判される

Kyiv Independent 2022/12/30

Zelensky signs media law criticized by journalist groups as authoritarian

ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は 12月29日、メディアで物議を醸した法案に署名した。

この法律は、ウクライナの法律を EU法と一致させ、ロシアのプロパガンダと戦うことを目的としていると、ウクライナ当局は、主張している。

メディア改革は、EUがウクライナの EU加盟に関する交渉を開始するための条件の 1つだ。EUは、メディアに対する既得権益の影響と戦うための法律をウクライナが採択することを望んでいた。

しかし、この法案は検閲を導入する試みとして、国内外のジャーナリスト組織から批判されている。

この法律は、メディア規制当局の権限を劇的に拡大し、メディアとして正式に登録されていないニュースサイトを裁判所の判決なしに閉鎖する権限を当局に与えている。

7月、欧州ジャーナリスト連盟は、ウクライナ当局に対し、このメディア法の草案を撤回するよう要請した。欧州ジャーナリスト連盟は、この法律には「ヨーロッパの価値観に反する多くの規定」が含まれていると述べた。

「これは、視聴覚メディアだけでなく、印刷物やデジタルメディアに対しても権限を持つ国家規制機関である全国放送評議会に、恣意的で不均衡な規制権限を与えることを提案しているものだ 」と連盟は述べた。

また、欧州ジャーナリスト連盟は、以下のように述べている。

「法案によって想定され、政府によって完全に管理されている規制当局の手中にある強制的な規制は、最悪の権威主義政権に値するものだ。これは撤回されなければならない。そのような規定を適用する国は、欧州連合にはまったく居場所はない」

ウクライナのジャーナリスト保護委員会は 7月、同法は「国内の報道の自由を制限する恐れがあり、欧州連合の基準から遠ざける恐れがある」と述べた。

9月、ウクライナの全国ジャーナリスト連合は、この法律は「ウクライナの)独立の歴史における言論の自由に対する最大の脅威」であると述べた。連合は、この法律の採択はゼレンスキー氏に「独裁者の影を落とす」可能性があると付け加えた.。

ウクライナのマス情報研究所によると、この法律の下では、メディア規制当局は、そのメンバーがゼレンスキーと彼の党が絶対多数を占めるウクライナ議会によって任命されるため、現職当局によって支配される可能性が高い。