(コメント)最近、昔の知り合いなどと会うと、「初めて会ってから40年 (@_@)」ということに気づくこともありまして、自分も長いことないなあ、とか思う部分もあり、寝る前に思い出投稿をしようと思います。
—
A Clockwork Orange - Wendy Carlos(1971)
スタンリー・キューブリック監督の『時計仕掛けのオレンジ』は 1971年の映画で、これは、私が 8歳のときの映画ですね。
当然、8歳でこんな映画は見ませんですので、実際に見たのは東京に出てきて、目黒にあった名画座で見た時だったと思います。
以下がわりと有名なオープニングですね。
それで、私はこの音楽が大変気に入りまして。
私は映画を見て、音楽が気に入ると、サウンドトラックを購入することが多いんですが(以前に出たリキッドスカイという映画もそうでした)、このサウンドトラックも手にしたんです。
このオープニングテーマが「シンセっぽい」ということはわかったんですが、どんな人が作った曲だか全然わからなかったんですね。
そのうち、知ることになるのは、
・これを演奏したのは、ウェンディ・カルロスさんという女性の作曲家
・この曲には元曲があり、17世紀に若くして病気で亡くなったイギリスの女王への葬送曲だった
ということなどでした。
ウェンディ・カルロスさんは、シンセサイザーを世に生み出した始祖といっていいと思います。
ウェンディ・カルロスさん
wxxiclassical.org
その後、さらに知るのは、このウェンディ・カルロスさんという女性の作曲家は、実はそれ以前に性転換していて、その前は男性だったということも知るのですが、それは大した問題ではありません。
とにかく、300年近く前に演奏されただけの誰も知らないようなクラシック曲を、現代の「暴力映画」のオープニングに適用したということのスゴさに驚いた次第です。
元曲は、ヘンリー・パーセルという作曲家の 1695年の「女王メアリー二世のための葬送曲」で、以下のような曲です。
文化というのは、こうやってめぐっていくのだなあ、と感動した次第でした。
この時計仕掛けのオレンジのサントラは、その後も何かと聴いていたもののひとつです。
ちなみに、うちの奥様はこの映画が大嫌いで(苦笑)、なので一緒に見たことはないです。
あと、この映画は、このすぐ後のシーンに、作曲家ロッシーニの「泥棒かささぎ」(1817年)が全面的に使われていて(これはウェンディ・カルロスさんの演奏ではなく、本当のクラシック演奏)、徹底したバイオレンスの中で流れる泥棒かささぎのメロディにしびれたものでした。
以下のシーンはその一部です。
あとは、ベートーベンが数多く使われていて(主人公がベートーベンを好きだという設定であったこともあるのでしょうが)、おおむねクラシック系の音楽のみが流れ続ける映画でした。
こういう文化の受け渡しは今後はあるのかなあ、とか思います。