イギリスの妊産婦死亡が過去20年で最大に

 

妊産婦死亡というのは「妊娠中または出産直後(正確には 6週間以内)に死亡」する女性のことです。

(参考記事)アメリカの「乳児死亡率」が過去20年で最大の上昇
BDW 2023年11月2日


英国の妊産婦死亡がほぼ20年ぶりの高水準にあることが調査で判明

itv.com 2024/01/11

‘Concern’ as study finds maternity deaths are at highest levels in almost 20 years

英国の主要な研究のデータによると、妊娠中または出産直後に死亡する女性の数がここ 20年近くで最高水準に達している。

専門家たちは、この数字は産科サービスに対する「さらなる懸念」を引き起こしていると述べ、妊娠前の健康や個別ケアなどの問題を緊急事項として優先するよう求めた。

全国的な妊産婦・新生児・乳児臨床結果検討プログラム(MNI-CORP)の一環として妊産婦死亡、死産、乳児死亡の原因調査と調査を行っている MBRRACE-UK は、2020年から 2022年までに報告された妊娠 10万人あたり死亡者数は 13.41人だったと発表した。

2番目に多かった原因である Covid-19 による死亡を除くと、この期間の妊産婦死亡率は10万人当たり 11.54人だった。

これは、2017年から 2019年にかけての 10万人あたり 8.79人から増加している。

妊娠中または妊娠終了後 6週間以内に死亡した女性の主な死因は、血栓症および血栓塞栓症、つまり静脈内の血栓だった

心臓病や、精神的健康状態の悪化に関連した死亡も多かった

この数字は、2024年の「命を救い、母親のケアを改善する」報告書の発行に先立って発表された。

国立周産期疫学ユニットの所長であり、MBRRACE-UK 母体報告責任者であるマリアン・ナイト教授によると、10月に発表された 2023年の報告書は「産科制度が圧迫されている明らかな例を特定した」という。

彼女は、最近の「妊産婦死亡率の増加はさらなる懸念を引き起こしている」と付け加えた。

「過体重や肥満などの症状への取り組みや、より包括的で個別化されたケアに取り組むための重要な行動を含む妊娠前の健康状態の確保は、これまで以上に緊急の問題として優先される必要がある」とナイト教授は述べた。