肥料価格 多くの種類で過去最高に ロシアの軍事侵攻などが影響
NHK 2022/05/31
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などの影響を受けて、ことし10月までの肥料の価格が多くの種類で過去最高になります。
全農=全国農業協同組合連合会は、6月から10月までの肥料の各都道府県の組織に卸す価格を31日に発表しました。
それによりますと、化学肥料のうち、
▽輸入された尿素は、前の期である去年11月から5月に比べて94%の値上げ、
▽塩化カリウムは80%値上げします。
また、
▽窒素、リン酸、カリをすべて含む複合肥料のうち、価格指標となっている3つを15%ずつ含む製品は、55%値上げすることになりました。
多くの種類で、価格は2005年以降、過去最高だということです。
値上げの理由について、全農では、世界的な穀物需要の高まりで肥料の需要が増えていること、ロシアのウクライナへの軍事侵攻をうけて、尿素や塩化カリウムの生産国であるロシアからの供給が滞っていること、さらに、中国が去年10月から尿素など肥料の輸出制限をかけている影響などを挙げています。
塩化カリウムは、ロシアとベラルーシが世界の輸出量のおよそ4割を占めており、軍事侵攻で輸入を取りやめる動きが世界で広がり、価格が高騰しています。
全農は、生産者に対して、堆肥などの活用を推進していく考えです。