ブラジルで6~7歳児の4割が「読書き不可」の状態になっていると非政府団体が発表。統計開始以来最大

(※) もっと小さな子どもたちはさらに大変なことになっていると思いますよ。数年後にわかります。

[参考記事]
マスクによる乳幼児の「深刻な言葉の遅れ」の増加率が「364%」に達しているとアメリカのセラピストが声明 (In Deep 2022/01/20)

パンデミック中に生まれた子どもたちの IQ が認知障害のレベルにまで低下していることがアメリカの研究により見出される (In Deep 2021/08/15)


《ブラジル》6~7歳児の4割が読書き不可=対面授業停止の悪影響露呈=コロナ禍で広がる社会格差

ブラジル日報 2022/02/09

非政府団体のTodos Pela Educacaoが、コロナ禍の2年間で識字力のない6~7歳児が66・3%増えたと発表したと8日付伯字紙、サイトが報じた。

地理統計院(IBGE)の継続的全国家庭サンプル調査の資料解析の結果、識字力のない6~7歳児は19年の143万人(25・1%)が21年は239万人(40・8%)となり、66・3%増加した。40・8%という数字は12年の統計開始以来最大で、25人のクラスだと10人が読み書きできない計算となる。

20、21年はコロナ禍で対面授業継続が困難になり、多くの自治体や学校がテレビやビデオなどを使った遠隔授業を導入した。

だが、遠隔授業に参加するには、特定チャンネルを受信できるテレビやチューナー、タブレット、コンピューター、携帯電話などの機材が必要なため、遠隔授業用の教材準備期間や機材のない家庭の子供は、対面授業が受けられない期間中は勉強の機会を失った。

遠隔授業では教材を視聴したかや理解できたかを確認し辛く、試験時のカンニングなども起きやすい。

対面授業再開時に子供の学力が落ちたと感じた教師は多いが、今回の調査は教師達が受けた印象が現実であった事を証明した。

全国市教育者代表連合のルイス・ミゲル・ガルシア会長は、「コロナ禍の影響が大きい貧困子弟は公立校で学んでいる。子供達の学習環境を整えるための投資を最優先する必要がある」と明言した。

「習得しそびれた内容を取り戻す事は可能だが、そのためには新たな方法論の導入が必要」「投資を増やして現場を整え、より多くの家庭を取り込めば、よい結果が得られるはず」という。

貧困家庭で識字力がない6~7歳児は33・6%が51%に増え、裕福な家庭では11・4%が16・6%に増えたという。

黒人で識字力のない6~7歳児の割合は28・8%が47・4%に増え、人数は69%増加。褐色は28・2%が44・5%に69%、白人は20・3%が35・1%に88・5%増えた。