ソフトバンクの出資先である米ウィーワークの株価が上場以来「99%」の下げ

 


ウィーワーク、事業継続に疑義で株価ゼロに近づく

ロイター 2023/08/10

米共有オフィス大手ウィーワークの株価が9日のニューヨーク市場で38.5%下落し、0.12ドルまで落ち込んだ。

事業継続の前提に疑義があると表明したためで、かつて470億ドルと評価されたこともあった企業価値は限りなくゼロに近づきつつある

ソフトバンクグループが出資するウィーワークにとって今直面しているのは、上場計画がいったん頓挫した2019年以降で最大の混乱と言える。

同社は結局評価額を大幅に割り引く形で21年に上場を果たした。ただその後ソフトバンクが多額の支援を続けてきたにもかかわらず、赤字を脱却できないまま現在に至っている。5月には最高経営責任者(CEO)だったサンディープ・マスラニ氏、今週は取締役の3人が辞任するなど経営幹部の流出も止まらない。

長期のリース契約を結んだ物件を短期貸しするというモデルで事業を急速に拡大してきた同社だが、新型コロナウイルスのパンデミックによって共有オフィスの魅力が薄れたことが致命的になっている。

ハーグレーブス・ランズダウンの株式ファンド責任者スティーブン・クレイトン氏は「ウィーワークは恐らく、近年で最も市場がもてはやし過ぎたスタートアップ企業だろう」と指摘する。

3月にウィーワークは債務の削減や一部の返済期限を延長する協議に合意。経費節減の取り組みも進めた結果、第2・四半期の純赤字額は前年同期の5億7700万ドルから3億4900万ドルに縮小した。

それでも今年前半に6億4600万ドルの現金を消費し、6月末時点で手元には2億0500万ドルしか残っていない