探査機はやぶさ2が持ち帰った小惑星リュウグウの砂状試料から有機分子2万種 生命宇宙飛来説を補強

 

(※) 今回の発見に「決定的な証拠」が含まれています。アミノ酸には《左型》と《右型》があるのですが、自然に発生した場合は、どちらも均等になるはずなのに、地球のすべての生物のアミノ酸は《全部、左型》なのです。ところが、今回の小惑星からは「どちらも均等」に見つかりました。

[参考記事] 地球の生命は宇宙から来たことが確定か:北海道大学やNASAによる国際研究で、最新分析法により「隕石から5種類すべてのDNA・RNAの塩基」が世界で初めて発見され、科学誌ネイチャーに発表される
In Deep 2022年5月2日


リュウグウ試料から有機分子2万種 生命宇宙飛来説を補強 JAXAなど

産経新聞 2023/02/24

探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰った砂状試料を分析している宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームは24日、試料から約2万種類もの有機分子が見つかったと、米科学誌サイエンスで発表した。

地球の生命の源となる物質は宇宙から飛来したとする仮説を、補強する材料になりそうだ。

見つかった有機分子は、炭素を骨格として水素や窒素、酸素、イオウなどが多様に組み合わさっている。生物の体に必須のアミノ酸のほか、カルボン酸や炭化水素などが含まれていた。

アミノ酸には、人の左手と右手と同様に、互いに鏡に映したような関係である左手型と右手型があり、地球の生命を構成しているのは左手型だ。リュウグウ試料のアミノ酸の多くは左手型と右手型の比率がほぼ1対1で存在しており、アミノ酸が地球で混ざったのではなく、宇宙空間で合成されたことの証拠になるという。

また、別の分析で、試料が大量に含む黒色の固体有機物を調べたところ、複数の炭素などが無秩序に結合した高分子構造であることが判明。

最古の太陽系物質である炭素質隕石(いんせき)が含む有機物の構造とよく似ており、炭素質隕石のもとはリュウグウのような炭素質小惑星であるとする説を、初めて直接的に証明した。

これらから、生命の材料となり得る物質が存在するリュウグウのような炭素質小惑星の一部が、何らかの理由で隕石になるなどして地球に飛来し、生命の源をもたらしたとする仮説の補強が一歩進んだ格好だ。