台湾の2022年の出生数が過去最少に

 

(※)出生数もですが、実際には以下のグラフの2021年以降の死者数が注目に値します。台湾では、2021年中盤までは、コロナではほとんど誰も亡くなっていなかったということを考えますと興味深いです。


出生数過去最少、初の14万人割れ 「寅年」忌避、コロナ影響/台湾

フォーカス台湾 2023/01/15

台湾の昨年の年間出生数は13万8986人と統計開始以来、初めて14万人を下回り、3年連続で過去最少を更新した。

台湾では「寅年生まれ」を忌避する傾向があるのに加え、新型コロナウイルスの流行が長引いたことも原因として考えられると専門家は指摘する。

台湾では出生数が寅年に減り、辰年に増える傾向がこれまで続いていた。寅年の子供は性格が凶暴になるとされる一方、辰年に生まれると優秀な子供に育つと信じられている。

台湾人口学会の陳玉華理事長は、新型コロナウイルス禍で経済的懸念が高まり、結婚や妊娠を控える人が多かったとの見方を示す。では寅年が終わり、人々の生活がアフターコロナに移行する中で状況は変わるのか。

長期的には子育て支援の推進必要

少子化対策を担う林万億・行政院政務委員(無任所大臣)は中央社の取材に対し、干支とコロナが出生数に与えた影響は短期的なものだとした上で、長期的には子育て支援策を進めていく必要があると語った。

林氏は、台湾も海外と同様に児童手当の給付、保育施設の公立化、職場環境の改善に取り組んできたと言及。政策の方向としては正しかったとしつつ、出生数の増加につながっていないことは改善の余地がまだあると指摘し、統計データからさらに分析を進めることで詳しい原因を突き止める方針を示した。

時代に合った価値観を

また、時代に合った「家庭の価値観」を広めることも必要だと陳氏と林氏は声をそろえる。

「老後の面倒を見てもらうために子供を生む」「男児に家を継がせる」というような価値観は時代錯誤だとし、家庭や育児の人生における多様な意義を認めることで、人々がより子供を持ちたいと思える社会につながるとの見通しを示した。