世界最大の肥料企業が「2023年まで肥料の混乱が続く」と警告

 


世界最大の肥料会社が2023年までの作物栄養素の混乱を警告

zerohedge.com 2022/05/05

World’s Largest Fertilizer Company Warns Crop Nutrient Disruptions Through 2023

世界最大の肥料会社が、供給の混乱が2023年まで続く可能性があると警告した。ロシアによるウクライナの侵略により、世界の供給の大部分がオフラインになった。これは、世界の農生産地域での価格の高騰と作物栄養素の不足を引き起こしている。

世界的な食糧危機の初期の兆候は、まだ最初のイニングにある可能性がある。

ブルームバーグは、カナダに本拠を置く NutrienLtd 社のCEOであるケン・セイツ氏が電話会議で投資家に語ったところによると、ロシアとウクライナ(両国とも主要な肥料供給業者)での供給途絶にについて、混乱は「2022年をはるかに超えて続く可能性がある」と予想した。

セイツ氏は、紛争とロシアとベラルーシに対する西側の制裁により、世界市場の肥料供給が減少し、作物の栄養素取引が再形成され、供給の不確実性がさらに高まる可能性があると述べた。

「その結果、世界の貿易パターンに変化が生じる可能性があり得ると思う」と彼は述べた。

肥料の混乱は、今年に留まらない複数年にわたる出来事である可能性がある。

すでに、世界中の農家が肥料を減らしているため、収穫時期に収穫量が減少する恐れがあり、この影響は甚大である可能性もある。

世界中の商業農家が、肥料価格の上昇や不足のために肥料の使用量を減らしている最新の兆候がすでに伝えられている。

先週明らかにされた、ブラジル最大の農業事業の1つであるSLC Agricola SAは、デラウェア州よりも広い地域で大豆、トウモロコシ、綿花畑を管理しているが、今季、肥料の使用量を20%から25%削減する。

最大のコーヒー生産国であるブラジル、ニカラグア、グアテマラ、およびコスタリカのコーヒー農家は、 高コストと不足のために、肥料の使用を減少させることが拡大すると見られている。コスタリカの1,200人の生産者を代表するコーヒー協同組合は、肥料コストの高騰により、来年のコーヒー生産量は15%減少すると予測している。

国際肥料開発センター(IFDC)は、肥料の使用量を減らすと、コメとトウモロコシの収穫時期が短くなると警告している。最大のコメ生産国である中国、インド、バングラデシュ、インドネシア、ベトナムの農家は、肥料の散布量が少なく、生産量が10% 減少する可能性がある。これは、約3,600万トンのコメ、つまり5億人分の十分な食料に相当する。

北米の肥料価格は、2020年の夏以来数百パーセント急騰している

米国でトップの肥料企業であるモザイク社の最高経営責任者(CEO)であるジョク・オルーク氏は、「おそらくこれは2年続く問題であり、そこに赤字が追いつくまでに2年から4年かかるだろう」と語った。