中国の総債務は「2京円」規模という推定

 


中国経済は崩壊過程に入っている

現代 2022/01/20

……朱鎔基・元首相の息子で中国の金融界の実力者である朱雲来氏は、2018年に行われたクローズドの会合で、中国の総債務は2017年末の段階で669兆元(1京2000兆円)に達すると述べていた。ただしこの総債務は中国政府、企業、個人の債務の総合計であり、中国政府だけの債務ではない。

朱雲来氏は中国の債務が年率16.6%で増えてきたことを指摘しているので、仮に同じ割合で2017年末から2021年末の4年間でも増え続けているとすれば、なんと1236兆元(2京2000兆円)まで膨れ上がっていることになる。

この金額を頭に置けば、融資平台の累積債務残高が160兆元(2800兆円)だと言われても、特に大きいとは感じないだろう。

そしてこの融資平台が抱える債務も、本来は地方政府の債務と考えるべきなのだが、地方政府の債務からは切り離されて考えられている。こうした債務を合わせて見た場合、中国の地方政府の債務が尋常ではないレベルに達していることがわかるだろう。

中国政府はこれまで債務を拡大することで様々な問題を「解決」してきた。だが債務の拡大が許されない環境に入って一気に逆流が始まっている。その全体構造の一端が、こうした地方政府の財政問題となって噴き出してきているのである。

中国共産党が持つ経済コントロール力に信頼を寄せる考えが未だに主流であるが、債務の拡大による問題の先送りができなくなったというトレンドを見逃すべきではない。中国経済は確実に崩壊過程に入っており、今後も様々な矛盾が露呈してくることになるであろう。