三十代によく聴いていた曲(4):ミックス・マスター・マイク – All Pro(1998年)

初めてヒップホップを聴いた1998年に乾杯

三十代になった頃、1993年前後でしたかね。私は突然音楽への興味を失い、数年間、ほとんど音楽を聴かない生活というものに突入しました。

この頃、体調も悪い時期もありまして(史上最悪の体調不良)、本ばかり(しかも変な本)を読んでいた頃でもありました。

そういう生活が数年続いた後に、本当に偶然に、このミックス・マスター・マイクという DJ の「 ALL PRO」という曲を聴いたのですよ。

はじめて聴いたときに、「え?」と思い、その後、演奏している人の名前を覚えて、レコード屋に行ったんです。レコード屋に行ったのなどは何年ぶりだったでしょうか。

かなり苦労しながら、この曲が入っている「Anti-Theft Device」というアルバムを見つけることができたのでした。ALL PRO は以下の曲です。

Mix Master Mike – All Pro(1998)

レコードが置いてあったのは「ヒップホップ」のコーナーで、

「こんなのも、ヒップホップのジャンルなんだあ…」

と思いましたけれど、若い時にパンクやノイズやみたいなのを聴きすぎたせいで、ヒップホップなんてものの存在はよく知りませんでした。

まあ、いわゆる今でもあるヒップホップの傾倒とは趣向が異なる音楽ではあるのですけれど、スクラッチだけで構成された間違いないヒップホップでした。

ミックスマスター・マイクは、その本名がマイケル・シュワルツという人で、ドイツ人とフィリピン人の間に生まれたアメリカ人でした。

ミックス・マスター・マイクは 1980年代に、前回のこのコーナーの記事に書いた Q-Bert たちと、インヴィシブル・スクラッチ・ピクルズというスクラッチ・ユニットを組んで、世界最高峰の DJ コンテストだった DMC という大会で、2年連続で優勝します。以下に、書いたことがあります。

インヴィシブル・スクラッチ・ピクルズが音楽世界に与えた震撼(3)

この「スクラッチ・オタク」のふたりの音楽を、同時期の 1998年頃に私はそれぞれ違うところから知ることができて、そして、私は音楽視聴に復帰しました。

もはや、そこにはロックもパンクもノイズもありません。つまり、私から音楽のジャンルなんか消えたのです。

それだけに、これらの人々の音楽と出会ったことは人生でも大きな思い出のひとつとなっています。