まるで預金封鎖:タイ当局、「詐欺取り締まり」の名目で一夜にして300万に及ぶ銀行口座を凍結する

先日は、ベトナムで「生体認証されていない銀行口座」を含む8600万の口座が銀行により閉鎖されるということがありましたけれど、名目さえあれば、何でもできますね。





タイ、詐欺取り締まり強化で300万の銀行口座を凍結

sqmagazine.co.uk 2025/09/15

Thailand Freezes 3 Million Bank Accounts in Anti-Scam Crackdown

タイはオンライン詐欺対策として300万以上の銀行口座を凍結するという大胆な措置を講じたが、一般利用者や企業に大きな混乱を引き起こしている。

概要

・タイ銀行、オンライン詐欺対策で300万口座を凍結

・中小企業と外国人居住者が巻き込まれる

・専門家は経済混乱を警告し、よりスマートな詐欺検出を求める

タイ銀行(BOT)は、地方当局および商業銀行と連携し、2025年9月初旬に 300万以上の口座を凍結し、1日あたりの厳格な送金限度額を導入した。

この取り締まりは、詐欺ネットワークによるマネーロンダリングに利用されている疑いのある口座を対象としている。当局はこの措置は一時的かつ必要不可欠であると述べているが、意図せずして数千人もの無実の個人、小規模事業者、そして外国人居住者に影響を与えている。

何百万もの銀行口座を凍結したのはなぜか

デジタル詐欺の急増に直面し、タイは東南アジアで最も積極的な措置の一つを講じた。タイ銀行はサイバー犯罪捜査局(CCIB)と連携し、8月から詐欺師とつながりのある「ミュールアカウント」の撲滅を目指した共同作戦を開始した。

報道によると、ここ数ヶ月でフィッシング、偽投資、ロマンス詐欺などの詐欺により、60億バーツ(約 280億円)以上が被害者から詐取されたと推定されている。

疑わしい取引パターンや詐欺ネットワークへの接続が見られるアカウントは、場合によっては事前の通知なく凍結される。このポリシーには、ユーザーの脆弱性に応じて異なる送金上限が含まれている。

・高齢者や未成年者などの高リスクグループには5万バーツ (約23万円)

・他の認証済みユーザーには最大20万バーツ(約 92万円)

当局は凍結は3日から7日間の一時的なものだと主張しているが、ソーシャルメディアの投稿や直接の証言は異なる事実を伝えている。

X(旧Twitter)などのプラットフォームでは、アカウントが凍結され日常業務が停止したという体験談がユーザーから寄せられている。多くのオンライン販売者、フリーランサー、サービス提供者は、一夜にして資金が凍結され、すぐに解決できる方法がないという状況に陥っている。

あるユーザーはこのシステムを「壊れている」と評し、一方で正当な取引を自動的に疑わしい取引としてフラグ付けする過剰なアルゴリズムを批判するユーザーもいる。一部の業者はQRコード決済の受付を停止し、顧客の取引をさらに制限している。

タイのデジタル経済の主要部分を占める電子商取引セクターへの影響は特に深刻だ。資金が凍結され、送金制限が課せられたため、多くの小規模事業者は通常の業務運営に苦戦している。

外国人居住者や観光客も影響を受ける

口座凍結は外国人にも影響を及ぼしている。多くの外国人居住者や観光客が、しばしば明確な説明もなく、突然口座を凍結されたと報告している。

特にプーケットとパタヤに住むロシア人たちは、フォーラムで銀行サービスの利用が制限されたと訴えている。

この新たな規則により、外国人居住者はモバイルバンキングを利用する際に生体認証の完了と厳格な顧客確認手続きの遵守が義務付けられた。大使館は、予測不可能な銀行環境を考慮し、国民に対し予備の支払い手段を携帯するよう勧告し始めている。

正直に言って、詐欺対策の必要性は理解できるが、明確で効率的なサポート体制もないまま、何百万もの銀行口座を凍結するというのは、まさにカオスだ。

無実の人々や中小企業が、犯してもいない罪で罰せられている。タイがデジタルバンキングで主導権を握りたいのであれば、全員を容疑者扱いするような一律の取り締まりではなく、よりスマートなツールが必要だ。それが実現しない限り、システムへの信頼は失われ続けるだろう。