(コメント)最近、昔の知り合いなどと会うと、「初めて会ってから40年 (@_@)」ということに気づくこともありまして、自分も長いことないなあ、とか思う部分もあり、寝る前に思い出投稿をしようと思います。
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Aphrodite’s Child – The Lamb (1972)
self23 の表現活動を始めて 2年目くらいのことだと思います。自分たちの集団そのものは、いつも男が 5〜 6人だけの小さな集団だったのですけれど、その頃は、手伝いに来てくれる特に女の子なんかも多くて、音楽に詳しい女の子なんかもいて、いつも参考にさせてもらっていました。
ある公演の時に、「なんか最後にバーンとかける誰も忘れることのできないような音楽ってないかな」と思っていたときに手伝いに来てくれていたある女の子が、このように言いました。
その子「オカさん、アフロディテス・チャイルドはご存じですか」
私 「アフロのおじさんの額がチリチリに?」
その子「違います」
私 「もう一回言って」
その子「アフロディテス・チャイルド」
私 「アフロのデスでチルドの様相?」
その子「違います。まあいいです。聴きますか?」
と、レコードをかけてくれまして、それがものすごくよかった。
私 「いやあ、いいアルバムだねえ。やっぱり、みんなアフロなの?」
その子「違います。オカさん、ヴァンゲリス知ってます?」
私 「知ってる知ってる。ブレードランナーの音楽やった人だよね」
その子「まあ、それだけではないですけど、そうです」
私 「最初のレプリカントのテストの時にさ…」
その子「ま、映画のことはいいですが、アフロディテス・チャイルドはそのヴァンゲリスのバンドなんです」
私 「アフロでーす、が?」
その子「いい加減にしてください」
私 「へえ、こんないいバンドやってたんだ。アフロで」
その子「違います」
私 「これがさ、アフロじゃなくて、お風呂だったら大変だったよね」
その子「帰りますよ? 私」
私 「まあまあ。でも、ありがとうね。これ使わせてもらいます」
ということで、1988年くらいの『聖者の異常な愛情』という狂ったストーリーの舞台の大ラストでかけたのでした。
The Lamb(ヒツジ)という 以下の曲です。
音響のオペレーションをやっていた人に「スピーカーが壊れてもいいから、大音量で」と言って、本当に劇場のスピーカーを飛ばしてしまったのですけれど、いい曲揃いのアルバムでした。
上のジャケットが「666」とあることでわかる通り、これはヨハネの黙示録をテーマにしたもので、その公演自体が、やや聖書と関係していたこともあり、何だかその偶然にワクワクしました。
いいアルバムです。
これはその後も、二十代といわず、わりとずっと聴いています。
実はこのアルバムで最も好きだったのは、「第七の封印 (The Seventh Seal)」という曲で、曲そのものはこちらにありますが、ヨハネの黙示録そのものを要約として語っているものです。
その後、厳密には self23 ではないのですが、私が最後に演出をした 2011年の公演の完全ラストの曲として、この曲を使わせていただきました。女の子だけが出演している公演です。
以下の動画の 4分50秒くらいのところから流れます。これ自体は、私が曲の後半を編集していて、ややアバンギャルドになっていますが、前半はそのままです。音響のオペレーションも私がやっていました。
リストカッターの不良少女が、死のうと思うことをやめて、次の世界の創造神になることを決意したシーンで終わる話です。
思えば、もう今後演出とかすることはないと考えると、これが私の最後の演出した公演の最後の曲となるのですね。
それだけに、ヨハネの黙示録には縁があるのかもしれません。