中国が米国産の原油の輸入をほぼ停止

(参考記事) 中国、米国産の大豆とトウモロコシの輸入を停止。米国の農家に深刻な打撃
BDW 2025年4月21日





中国、米国産原油をカナダ産に切り替え – ブルームバーグ

RT 2025/04/17

China replacing US oil with Canadian – Bloomberg

関税戦争のさなか、中国はアメリカ産原油の購入を 90%削減したと報じられている。

中国はワシントンとの貿易戦争を考慮して、カナダから記録的な量の原油を輸入し、米国からの供給を大幅に削減しているとブルームバーグが 4月16日に報じた。

同メディアによると、米国と中国は過去 2ヶ月にわたり相互に関税引き上げを実施しており、これを受けて中国は米国産原油の購入量を約 90%削減した。

中国は以前、米国製品に対する追加関税引き上げは行わず、むしろ代替手段で報復する考えを示していた。

カナダ太平洋岸のバンクーバー近郊の港からの中国の原油輸入量は 3月に過去最高の 730万バレルに急増し、今月はこの数字を超える可能性があると、ブルームバーグがロンドンに拠点を置く世界的な石油・ガス貨物追跡会社ボルテクサ社のデータを引用して報じた。

一方、中国の米国産原油輸入量は昨年 6月のピーク時の 2900万バレルから月間 300万バレルに減少しているとブルームバーグは付け加えた。

中国によるカナダ産原油の直接輸入は、主にインフラの制約により、歴史的に最小限にとどまってきた。中国の製油所は、主に中東とロシアから原油を調達してきた。

中国税関データによると、昨年の中国の原油輸入量全体のおよそ 1.7%が米国産で、2023年の 2.5%から減少した。

カナダの原油はほぼ全て米国に輸送され、そこで加工されるか、アジアに再輸出されている。

しかし、昨年 5月にカナダの太平洋岸まで原油を輸送するトランス・マウンテン拡張パイプラインが完成したことで、カナダはより多くの原油を直接、主にアジアに輸出できる代替ルートを手に入れ、米国への依存度を軽減することができた。

「貿易戦争を考えると、中国が米国産原油の輸入を増やす可能性は低い」と、カナダ・中国エネルギー・環境フォーラムの蒋文然会長はブルームバーグ通信に語った。

「中国はロシアや中東だけに頼るつもりはない。カナダからの輸入はどんなものでも歓迎すべきニュースとなるだろう」

ロシアは依然として中国最大の原油供給国だ。

ロシアから中国への原油輸入量は 2024年に過去最高を記録した。近年の増加は主にロシア産原油の割引価格によるものだ。中国にとって第 2位の供給国であるサウジアラビアからの原油輸入量は、2024年に前年比 9%減少した。