巨大な米オプション市場の満期を迎えて「株式相場下落は急速に悪化する可能性がある」

 

オプション市場というのは、ややこしい概念ですが、ここに出てくる「プット」というのは、一言でいえば「売る権利」のことで、「プットの買い手」というのは、「売りの(株価が下がると収益が出る)」権利を買っているということになります。

いずれにしても、8月は、なかなかスリリングな株式相場になりそうですね。


米株式オプション市場に再び脚光、2兆ドル相当の満期が18日に到来

ブルームバーグ 2023/08/18

24時間以内に期限を迎える株式オプション「ゼロ・デー・オプション」がウォール街のトレーディングデスクの注目を集めているが、「OpEx」と呼ばれる毎月のオプション満期日イベントを控え、従来型のオプションが再び脚光を浴びている。

デリバティブ分析会社アシム500の創業者ロッキー・フィッシュマン氏の試算によると、ゼロDTE以外の株式や指数に連動するオプション約2兆2000億ドル(約320兆円)が18日に期限を迎える予定だ

投資家はオプションをロールオーバーするか、新たなポジションを持つかを決めなければならない。今回のOpExは、堅調な米経済が連邦準備制度にさらなる利上げを迫るとの観測の中、S&P500種株価指数の今年の大幅上昇にほころびが出始めるという重要な局面で到来する。

OpExは通常、大きなポジションを整理したい投資家に流動性を提供する一方で、日中の急落や頻繁な反転を起こしやすい気まぐれな株式市場をさらに混乱させる。

ゼロDTEの記録的人気とマーケットメーカーのポジショニングの最近の変化は、トレーダーにとってさらなる難題だ。

OpExの影響を予測するのはほぼ不可能だが、最近の傾向を見るとこのイベントの後に株価が上昇することが多い。ブルームバーグがまとめたデータによると、S&P500種は昨年初め以降、6回を除いて全てのOpEx後の週に上昇した。

分析サービスのスポットガンマの創業者、ブレント・コチュバ氏は、ジャクソンホールで開催されるカンザスシティー連銀の年次フォーラムを前に、このパターンに頼るのは危険だと指摘する。コチュバ氏は投資家に対し、オプションのコストが現在いかに抑えられているかを考慮し、ヘッジの購入を検討するようアドバイスしている。

OpEx通過後、「来週のジャクソンホール会合をきっかけとした方向性のある動きが解き放たれるだろう。インプライドボラティリティーはまだS&P500種の下げに反応していないため、より長期のプットでヘッジをする良いタイミングだ」と同氏は述べた。

オプション取引の相手方であり、エクスポージャーのバランスをとるために株式を売買しなければならないマーケットメーカーの動きも問題だ。ゴールドマン・サックス・グループによると、マーケットメーカーは先週、今年初めて「ショートガンマ」ポジションに移行した。

RBCキャピタル・マーケッツのデリバティブ戦略責任者、エイミー・ウー・シルバーマン氏によると、ジャクソンホール会合がボラティリティーを誘発するイベントとなる可能性があるため、ディーラーのスタンスを考慮すると、株式相場下落は急速に悪化する可能性がある

「市場は『ロングガンマ』から『ショートガンマ』に反転しているという話がよく聞かれる。つまり、プットの売り手ではなく、プットの買い手が多いということだ。プットの買い手は、ディーラーが株を売るため、ネガティブな動きを悪化させる傾向がある」と同氏は解説した。