ブラジルで異例の寒波。農業被害の懸念

 


《ブラジル》寒波到来! 南部に降霜で農業被害懸念=寒波とサイクロンの二重攻撃

ブラジル日報 2022/05/18

16~22日は寒冷前線とサイクロンが重なり、南部や南東部を中心に寒波が訪れ、暴風雨が起こり得るとの予報が出ており、特に南部では17日に降雪や降霜も見たと17日現地サイトが報じた。

南部諸州での天候不順は、南極からの大寒気団到来と海上に生じたサイクロンの影響がより強く出たものだ。 

サイクロンは通常、温かい海上で発生し、湿った大気を送り込んでくるが、今回のサイクロンは寒冷前線が持ち込んだ冷たい空気と海上の温かい空気がぶつかって生じた。現在は亜熱帯低気圧に変化しており、強烈で強い風をもたらす。サイクロンによる風は大寒気団をより広い地域に広げるため、より広い範囲で強風と寒気の影響が出る見込みだ。

サンタカタリーナ州ではウルペマなどで降雪や降霜、氷雨がみられた。また、サンタカタリーナ州南部の海岸部やリオ・グランデ・ド・スル州の極南部と東部では時速100キロ超の風が吹き、3~4メートルの高波も起きている。

また、サイクロンが送り込む湿った空気と寒冷前線は強い雨ももたらし得るため、強風と大雨、洪水などという被害が起きる可能性もある。

寒冷前線とサイクロンの影響は、南部だけに止まらず、リオ州でも16~17日に、3メートル程の高波や集中豪雨、雹などが観測された。

また、南東部や中西部での寒波は18日以降に強まる見込みで、18日の最低気温はカンポ・グランデで7度、サンパウロで6度との予想も出ている。19日にはベロ・オリゾンテで7度、リオで12度、ブラジリアやゴイアニアでも5度と予想されている。

一部の専門家は、寒波や霜による農産物への被害を懸念。降霜が予想されているのは南部諸州とマット・グロッソ・ド・スル州、ミナス州南部、サンパウロ州西部などで、葉野菜類やトマト、ジャガイモ、サトウキビ、バナナなど、寒さに弱い野菜や果物の値上がりも予想されている。

今週に入り、グッと冷え込んでいるサンパウロ市。これは南部からの寒冷前線接近が原因だ。今回の寒気団はかなり強い気温の低下をもたらすようで、17日にはサンタカタリーナ州ウルペマで初雪を記録。氷雨が降った地域も出た。南部やサンパウロ州西部などでは降霜も見られ、17日朝のパラナ州クリチーバの気温は3度まで下がった。

サンパウロ市でも今日18日は最低気温6度、最高気温も14度までしか上がらないと予想されている。サンパウロ市の予想気温は19日も同じで、20日も最高16度、最低7度とか。かなり急な冷え込みで慣れるのに苦労しそうだが、着こむなどの寒さ対策と乾燥対策を忘れずに。