[上海から金融関係者が大量脱出か]という報道

 

(※) 以前、In Deep メルマガで書いたことがありますが、中国政府は、「上海という街自体を殺そうとしている」ようです。理由は、西側の国際金融組織が上海に入りこみすぎたため。あるいは、上海を封鎖するだけで、上海港の貨物の輸送は止まりますので、結局、西側経済も落とし込める。これは効率のいい戦争ですよ。このロイターの記事に、以下のようにあります。

> ここ数年、上海で拠点を拡充してきた外資系の投資銀行や保険会社、資産運用会社などにとっても聞きたくない話だ。

[参考記事] 中国のロックダウンは「第三次世界大戦の延長」かと。目的は「西側の食糧、エネルギー供給と流通システムの混乱による経済の崩壊」 (In Deep 2022/04/18)


上海から金融関係者が大量脱出か、都市封鎖で悲鳴 香港業務など希望

ロイター 2022/04/27

コロナ感染予防のロックダウン(都市封鎖)で自宅に閉じ込められたままの上海の金融関係者らが上海に見切りをつけ、香港や他の金融センターに戻って働く準備をしつつある。多くは上海で仕事を始めて数年しかたっていないが、事業の展望は損なわれ、家族のための日々の食べ物や生活必需品の確保もままならないためだ。

業界幹部らによると、ロックダウンが長期化する中で、見込みのあった金融案件が物理的な理由から保留になったままになるなど、事業に影響が出始めている。

2020年暮れ頃に香港から上海に移ったプライベート・エクイティ投資家の男性は「上海で起きていることはほとんどの人にとって衝撃的だ。これほどまでに収拾がつかない状態になると誰が想像しただろうか」と嘆く。

この男性は外国への渡航制限が緩和され、中国本土と香港間を容易に行き来できるようになるのを待ち受けている。自分の子どもたちを香港の学校に戻し、自分は必要最低限な範囲を除いて上海関連の仕事を減らすことを考えている。「最大のフラストレーションは、今は自分ではどうすることもできないことだ」という。

上海は地域の金融一大拠点になる野望を掲げていただけに、こうした上海脱出の動きが本格化すれば痛手になる。中国政府の金融セクター開放を受けてここ数年、上海で拠点を拡充してきた外資系の投資銀行や保険会社、資産運用会社などにとっても聞きたくない話だ。

微信(ウィーチャット)に投稿された採用情報を見るだけでも、ゴールドマン・サックスは上海の人員を10人近くに増やそうとしていた。JPモルガンは昨年、上海事業を100%子会社にしたばかり。ブラックロックは上海のファンド部門を約20人増員しようとしている。