前の記事で、「音楽」とデフォルトモード・ネットワーク(DMN)の関係を書いたのですが、
「文字、つまり読書はどうなのだろう?」
と思いました。
文字も外的な刺激、あるいは外的な情報だからです。
それで探してみましたら、米ハーバード大学の 2015年の論文を見つけました。結論としては、「本を読むことは DMN を活性化させる」ということしらいです。つまり、紙の本を読むことは、脳の活性化につながるようです。
フィクションを読むことと心を読むこと:デフォルトネットワークにおけるシミュレーションの役割
Reading fiction and reading minds: the role of simulation in the default network
PubMed 2015/09/04
要約
心理学研究では、フィクションを読むことで個人の社会認知能力が向上する可能性が示唆されている。
神経科学の知見によると、読書と社会認知はどちらもデフォルトネットワークを活性化する。デフォルトネットワークは、仮想的な場面、空間、精神状態をシミュレートする能力を支えることが知られている。
本研究では、フィクションを読むことで心の理論に関わるデフォルト・サブネットワークが鍛えられ、社会認知能力が向上するという仮説を検証した。
参加者は機能的神経イメージングを受けながら、
(i)鮮明な文章と抽象的な文章
(ii)社会的な文章と非社会的な文章
という2つの次元で異なる文学作品を読破した。
分析の結果、デフォルトネットワークの異なるサブネットワークが、関心のある 2つの次元に反応することが明らかになった。
内側側頭葉サブネットワークは、社会的な内容の有無にかかわらず、鮮明な文章に優先的に反応した。背内側前頭前皮質(dmPFC)サブネットワークは、社会的な内容と抽象的な内容を含む文章に優先的に反応した。
また、フィクションを最も頻繁に読む参加者は、社会認知能力も最も高いことが示された。
最後に、媒介分析により、社会的コンテンツに反応した背内側前頭前皮質サブネットワークの活動がこの関係を媒介していることが示され、フィクションにおける社会的コンテンツのシミュレーションが、読者の社会的認知を高めるフィクションの能力に役割を果たしていることが示唆された。