「完全にAIで生成されたと思われるバンドの曲がSpotifyで驚くべき額の収益を上げている」という報道





完全にAIで生成されたと思われる「インディーロックバンド」がSpotifyで驚くべき額の収益を上げている

futurism.com 2025/06/30

An “Indie Rock Band” That Appears to Be Entirely AI-Generated Is Making Alarming Amounts of Money on Spotify

この男たちが本物であるわけがない。

本物のアーティストが Spotify で収益を上げるのに苦労している一方で、AIによって生成されたと思われる「バンド」は実際に収益を上げるのに十分なストリーム数を獲得している。

Music Ally の報道によると 、問題のバンド「ザ・ベルベット・サンダウン (The Velvet Sundown)」は、この夏以前にはデジタルフットプリントがなかったにもかかわらず、最近突然 Spotify、Apple Music、Amazon Music、Deezer、さらには YouTube に登場したという。

一見若いバンドに見えるにもかかわらず、ザ・ヴェルヴェット・サンダウンは、その名前がルー・リードの伝説的なサイケデリック・ロックバンド「ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」の明らかな盗作であり、おそらくインディーズフリークバンド、ウルフ・パレードの前身であるサンセット・ラブダウンを混ぜたものだと思われるが、今月 55万回以上再生されている(これはザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドよりは少ないが、サンセット・ラブダウンやウルフ・パレードよりははるかに多い)。

Spotify の 1回の再生あたりの支払額は 0.003 ドルから 0.005 ドルの範囲であるため、これらの再生だけで毎月数千ドル (数十万円)を稼ぐことができ。そして、これはバンドが他のストリーミング サービスで配信されているかどうかを考慮していない場合の金額だ (ボットがその「リスナー数」に影響する可能性もゼロではない)。

このバンドが Spotify の Discovery Weekly プレイリストに登場したことに動揺した Reddit ユーザーによって最初にフラグが立てられたが、表面を少し調べるだけでこのバンドの正体を明らかにすることができた。

Spotify のライバルである Deezer が、バンドのトラックが AI 生成の可能性があると警告したこと(プラットフォームはごく最近これを検出し始めた)以外にも、ザ・ベルベット・サンダウンを取り巻く明白な危険信号は山ほどある。

まず、その「メンバー」とされるゲイブ・ファロー、レニー・ウェスト、マイロ・レインズ、オリオン・リオ・デル・マーは、いずれも実在しないようだ。「マイロ・レインズ」という名前の猫の Instagram アカウントが削除されているのを除けば、Music Ally も Futurismも、2025年6月以前のこれらの名前のデジタルフットプリントを見つけることができなかった。

証拠がまったくないという主張が説得力に欠けるとしても、偽ミュージシャンたちのインスタグラムアカウントを覗き見れば、彼らがアルゴリズムによって作られたに過ぎないことは明らかだ。

バンドのページに掲載されている写真にはどれも、紛れもなく AI の輝きを放っており、彼らが不気味の谷の住人であることを示唆する、なんとも言えない不気味さがある。しかも、投稿されたのはどれも数日前のものばかりだ。

私たちは、ザ・ベルベット・サンダウンの音楽が配信されている Spotify やその他のストリーミングプラットフォームに連絡を取り、バンドに対する AI 疑惑について調査したかどうかを尋ねた。

しかし、実際に AI 生成コンテンツにマークを付けるのは Deezer と YouTube だけなので、たとえプラットフォーム側がバンドが完全に偽物だと認めたとしても、ユーザーには警告が出ない。

更新:当初、「バンド」はAI を使用していないと主張していたが、プロジェクトの制作者はその後嘘をついていたことを認め、音楽は AI を使用して生成されたものであると発表した。