かつて「史上最悪のキリスト画の修復」といわれた画のある場所が観光地として大フィーバーという報道

12年前の In Deep の記事で取り上げていました。

以下の左が元の絵画で、右が「修復後」のイエス像です。

何でも人気になる世の中は面白いですね。





世界最悪のキリスト画修復、お婆さんが地元の「救世主」になっていた! 「観光地になり、街はフィーバーに」

デイリー新潮 2024/08/14

2012年に世界を騒然とさせた、「世界最悪」と呼ばれた壁画修復と、その後の意外な顛末について取り上げる。

エッケ・ホモ(この人を、見よ)――。

「イエスを磔刑に!」と騒ぐ群衆に対して、ユダヤ総督のピラトが疑問を投げかけたとされる言葉である。このシーンは、キリストの受難を象徴するものとして、さまざまな芸術作品のモチーフとなってきた。

ピラトの発言からおよそ1980年の時がたった2012年の8月。スペイン北東部のボルハという町で受難の時を迎えたのは、まさに〈この人を、見よ〉と題された一点のフレスコ画であった。

いばらで編んだ冠を頭に載せられ、群衆の前に立たされたイエスの姿を描いたこの作品は、教会内の漆喰の壁に直に描かれていたために、目に見えて“傷み”が生じていた。

だが、この作品にとって最大の不幸は、経年による劣化が放置されていたことではなく、絵画修復の知識も技術もないセシリア・ヒメネスという当時82歳のお婆さんが修復を買って出たという事実だった。

彼女の手によって〈この人を、見よ〉は、元の作品とは似ても似つかぬ滑稽なキリスト像に“修復”されてしまったのである。

以下は、オリジナル記事からどうぞ。