英国の消費者物価が41年ぶりの上昇率

 


英消費者物価11.1%上昇 10月、41年ぶり伸び

日本経済新聞 2022/11/16

英統計局が16日発表した10月の消費者物価指数は前年同月比11.1%上昇した。

伸び率は9月から1.0ポイント拡大し、1981年後半以来およそ41年ぶりの高水準となった。光熱費や食料品など幅広い品目で値上がりが進んでいる。

上昇率はリフィニティブが集計した市場予想(10.7%)を上回った。全体を大きく押し上げたのは光熱費だった。

住宅・水道・電気・ガスの上昇率は前月から一気に6.4ポイント高まり、26.6%に達した。英政府が導入した光熱費の補助策は家計の負担を十分に軽減できていないとみられる。

食料品・非アルコール飲料は16.2%、アルコール飲料・たばこは6.1%、通信は3.2%でいずれも前月から伸びが加速した。エネルギーや食品などを除く上昇率は6.5%で横ばいだった。

英国の物価高がどこまで進むかは見通しにくい。スナク政権は財政収支の改善に向けて来春以降の光熱費の補助策を見直す方針で、インフレが改めて加速する可能性もある。

イングランド銀行(中央銀行)のベイリー総裁は急速な金融引き締めが長期の景気後退を招くと懸念し、利上げペースの鈍化を示唆している。