[金2298トン備蓄したロシア、「金融孤立」どれだけ耐えられるか]という韓国報道

 

(※) ちなみに、日本の金備蓄量は 765トン(2019年)です。


金2298トン備蓄したロシア、「金融孤立」どれだけ耐えられるか

中央日報 2022/03/07

豊富な「外貨備蓄」を前面に出したロシアの「盾」が西側の「やり」である経済制裁と真っ向対立した。ロシアは外貨のバスケットに入っているドルを減らし、金と人民元を増やして耐えられる体力を育てた状態だ。陣地戦に出たロシアを狙い米国など西側は国際銀行間通信協会(SWIFT)締め出しという超強力制裁に着手した。

国際格付け会社のムーディーズは6日にロシアの格付けをこれまでの「B3」から「Ca」に4段階引き下げた。債務不履行(デフォルト)直前の等級に大幅追加降格したのだ。

ムーディーズは3日にロシアの格付けを「Baa3」から「B3」に6段階引き下げてから3日で再引き下げした。これに先立ちスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とフィッチ・レーティングスなどもデフォルトが懸念されるとしてロシアの格付けを大幅に引き下げた。

韓国銀行によると、昨年末のロシアの外貨準備高は6306億3000万ドルで過去最大水準だった。中国(3兆2502億ドル)、日本(1兆4058億ドル)、スイス(1兆1100億ドル)、インド(6336億ドル)に次いで5番目だ。

2014年のクリミア併合にともなう米国と欧州連合(EU)などの経済制裁の学習効果だ。ポートフォリオも多角化した。ロシアの外貨準備高のうちドルの割合は2018年1-3月期の41.7%から2021年4-6月期には16.4%に減った。反対に人民元の割合は2018年1-3月期の5%から2021年4-6月期には13.1%で大きく膨らんだ。

事実ロシアの最も「強固な武器」は代表的な安全資産である金だ。ロシアの外貨準備高のうち金の割合は2015年10-12月期の12.2%から2021年4-6月期には21.7%と2倍近くに増やした。国際金協会(WGC)によると、昨年11月基準でロシアは2298.5トンの金を保有している。

ロシアが保有する金は経済制裁から自由だ。ロシア中央銀行は保有する金をすべて自国領土内に保管しているためだ。

KOTRAのパク・チウォン地域研究室研究委員は「ロシアが経済制裁を体験し中央銀行が保有する金をすべて自国領土内に保管するよう法律を改正し海外資産凍結による影響を最小化するようにした」と説明した。

ロシアの備えにも西側の制裁案は予想を上回った。ロシア主要銀行のSWIFT締め出しで国際貿易と金融決済にアクセスするルートが閉ざされた上に、ロシアの外貨準備高の3分の2ほどである4000億ドルも凍結されて資金が尽きつつある。

欧州のエネルギー企業が「脱ロシア」の行列に参加するのも予想できない変数だった。ドイツのショルツ首相は先月22日にロシアとのガスパイプライン事業「ノルドストリーム2」に対する承認手続きを中断した。英大手石油会社のBPとシェルも28日にロシアのエネルギー企業の保有株式を全量売却したり、国営石油会社との合弁投資を撤回することにした。

昨年のロシア政府の収入で原油と天然ガスの輸出が占める割合は35.8%に達した。

全方向的な制裁にロシア・ルーブルの価値が急落して取り付け騒ぎが本格化し、ドルと現金は枯渇していっている。

これを受けロシア中央銀行は政策金利を年9.5%から20%に大幅に引き上げた。プーチン大統領はこれに加え先月28日に国外への外貨送金を禁止し、貿易会社の外貨収入の80%を義務売却する特別経済措置大統領令も発令した。

パク研究委員は「ロシアの外貨送金禁止は2015年の西側の経済制裁の時もやらなかった極めて異例の決定。それだけ経済制裁のため揺れているということ」と分析した。

経済対立が長期化すれば欧州各国も衝撃を避けられない見通しだ。

慶尚大学ロシア学科のチョ・ウォンホ教授は「欧州とロシアのうちどっちが先に死ぬかのチキンゲームが始まったもの。特にロシア中央銀行の高金利通貨政策と外貨送金禁止などの措置が6カ月以上続く場合には経済に大きな無理が発生する」と話した。

パク研究委員は「ロシアのエネルギー分野まで制裁が拡大すればロシアに依存する一部東欧諸国の困難が大きくなる可能性が高い」と予想する。