金の切り上げが迫っている?米国金準備保有高が初めて1兆ドルを突破
zerohedge.com 2025/09/30
Gold Revaluation Imminent? US Treasury Hoard Tops $1 Trillion For First Time
今年に入って金価格が 45%上昇したことにより、米国財務省が保有するこの野蛮な遺物の価値は史上初めて 1兆ドル(約 150兆円)を超えた。

これは政府の貸借対照表に記載されている金額の 90倍以上であり、ベッセント財務長官が大量の貴金属を再評価(時価評価)する可能性があるという憶測が再燃している。
ほとんどの国とは異なり、米国の金は中央銀行ではなく政府によって直接保有されている。
その代わりに、FRB は財務省の保有金の価値に相当する金証券を保有し、その見返りとして政府にドルを貸し付けている。
つまり、以前に詳述したように、現在の価格に合わせて準備金の価値を更新すると、およそ 9,900億ドルが財務省の金庫に流入し、今年これほど多くの国債を発行する必要性が劇的に減少することになる。
ベッセント財務長官は当初この提案を却下したが、1兆ドルずつ積み重なれば、決して前例のない額ではないだろう。ブルームバーグの報道によると、ドイツ、イタリア、南アフリカはいずれもここ数十年で外貨準備高の切り上げを決定しており、これは連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストによる 8月の報告書でも論じられている。
米国の金の価格変更は、財務省と FRB のバランスシートの両方に影響を及ぼすだろう。
米国財務省:資産は金の再マーク分だけ増加し、負債は FRB に発行された金証券の規模だけ増加する。
言い換えれば、量的緩和のようなオペレーションであり、FRB が約7,000億ドルの現金を財務省に静かに送り込むが、実際には何もしないということだ。
言うまでもなく、金の価格再調整は市場にとって異例の、あるいはまったく予想外の出来事と捉えられるだろう。
バンク・オブ・アメリカのストラテジストは、金の価格再評価は可能だが、法的疑問があると結論付けている。
「財政・金融政策の緩和と財政・金融の独立性の侵食につながるため、市場に受け入れられない可能性がある」
そして、皮肉なことに、金の価格再評価は金価格(ビットコインやその後再通貨化される可能性のあるその他の通貨価格も言うまでもなく)を急騰させるだろう。