大阪の死体遺棄事件で思い出す30年前の吉祥寺の井の頭公園でのバラバラ殺人事件

なんか大阪で妙な事件があったようで、「大阪・堂島川沿いの切断遺体は上半身の一部 頭部未発見 (朝日新聞)」というように報じられていました。

> 大阪市中心部の堂島川沿いの遊歩道で、ポリ袋に入った切断された男性の遺体が見つかった事件で、遺体は胸部の皮膚や内臓など上半身の一部だったことが大阪府警への取材でわかった。頭部は見つかっていないという。

というようなニュースでしたが、すぐに「ああ、30年前に近くであったなあ、おんなじのが」と思い出しました。

当時、私は東京の西荻窪という辺境に住んでいまして、徒歩で行ける隣が吉祥寺という街だったんですが、そこに井の頭公園という公園があります。

そこで、「井の頭公園の複数のゴミ捨て場にバラバラの遺体が捨てられていた」という事件があったのですね。31年前ですかね。頭部が見つからなかったのも、今回の大阪の事件と似ています。

「あの事件って名称とかついているのかな」と調べますと、昨年の産経新聞で以下の記事を見つけました。

井の頭公園バラバラ殺人事件 迷宮入り 父の無念

産経新聞 2024/10/18

都会のオアシスとして人々の憩いの場となっている井の頭公園(東京都武蔵野市・三鷹市)で平成6年4月、清掃員がゴミ捨て場にあった袋の中に人の足の一部が入っているのを発見した。周囲を捜索したところ、手首、肋骨など数十個のバラバラの遺体が見つかったが、頭部はなく、手足の指紋は削られていた。

このときは、かなり大規模な捜査があったようで、私の知り合いのところにも「二人組の刑事が来ました」と言っていた人がいました。

 「刑事が、まるで犯人かのようにぼくを見るんですよ」
 「じゃあ、犯人なんじゃないの?」
彼 「違います」
 「いやもう、正直に言ったほうがいいよ。若気の至りで済むかもしれないし」
 「いい加減にしてください」
 「あれは人間じゃなく宇宙人だったんです! とかいえば、狂人として精神鑑定のほうに持ち込めて…」
 「いい加減にしてください」

井の頭公園を含めて、当時のあのあたりはボーッとした地域で、事件らしい事件がないような場所だっただけに、わりと印象的な出来事でした。

岩川隆さんというノンフィクション作家の方の『殺人全書』という 40年くらいの前の著作があり、当時、大学を卒業した年下の知り合いが私にくれたもので、900ページとかある大著ですが、第一章が「処理の美学」というもので、最初に出てくる 29歳のバラバラ殺人の容疑者の供述が書かれているのですが、以下のように述べていました。

— 犯行後はどうした?

「神社の庭に肉をまいて、それからお宮の中で寝ました。朝起きたらなんだかガヤガヤ騒いでいましたよ。そして巡査かだれかが入って来ましたが、気がつかなかった。犬も来たんですよ。吠えないです。あれは馬鹿ですよ」

昭和29年(1954年)の犯行です。

今から 70年前です。

人間はこの程度の期間ではあまり変わらないですね。