長期金利の国債利回りが約16年ぶりの高い水準に





長期金利1.5%に上昇、15年9カ月ぶり 利上げ継続を意識

日本経済新聞 2025/03/06

6日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは一時、1.5%に上昇(債券価格は下落)した。

2009年6月以来15年9カ月ぶりの高水準。日銀の追加利上げ観測を背景に国内金利の上昇余地を見込んだ債券売りが膨らんでいる。海外の金利上昇の影響も波及している。

長期金利は1.5%を付けた後、1.505%まで上昇する場面があった。引き続き09年6月以来の高水準だ。

日銀の内田真一副総裁は5日、静岡県で開いた金融経済懇談会で挨拶した。

「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」「想定される程度のペースの利上げであれば、経済の反応を確認しながら進めていけるだろう」などと話した。

市場ではトランプ米政権の関税政策などを巡る不透明感からリスク回避の動きもみられる。

ただ、そうした中でも内田副総裁が利上げに消極的な「ハト派」姿勢を示さなかったことで、債券市場を中心に日銀の利上げ継続が意識されている。