ここでは、ADHDリスクが高くなることについて述べられていますが、以前の研究では、自閉症を含めた神経発達障害のリスクが高まることが示されています。以下の記事にあります。
・アセトアミノフェン(日本名:カロナール)の妊婦さんと乳幼児の服用は「子どもの自閉症や神経発達の問題の原因になる」エビデンスが示された論文が発表される
In Deep 2022年8月1日
今も単なる風邪やインフルエンザに容易に処方されているアセトアミノフェン(カロナール)ですが、マイナスの影響はそれなりに大きいものです。
母親のアセトアミノフェンの使用は胎盤の遺伝子発現を変化させ、子供のADHDリスクを高める可能性がある
medicalxpress.com 2025/02/14
Maternal acetaminophen (paracetamol) use may alter placental gene expression, raising ADHD risk in children
ワシントン大学が主導した研究によると、妊娠中の母親のアセトアミノフェンへの曝露は、小児期の注意欠陥・多動性障害(ADHD)の可能性の上昇と関連しているという。
研究者たちは、307組のアフリカ系アメリカ人の母子のコホートにおけるアセトアミノフェン曝露の血漿バイオマーカーを分析しところ、第2期の母親の血液サンプルでアセトアミノフェンが検出されると、8~ 10歳までに子供が ADHD と診断される確率が上昇した。
アセトアミノフェンは妊娠中に広く使用されており、米国、ヨーロッパ、アジアの妊婦の約 41~ 70% が使用している。
アメリカ食品医薬品局や欧州医薬品庁などの規制当局によって低リスクの薬剤として分類されているにもかかわらず、蓄積される証拠から、出生前のアセトアミノフェン曝露と ADHD や自閉症スペクトラム障害などの神経発達障害との潜在的な関連性が示唆されている。
これまでの研究のほとんどは、自己申告によるアセトアミノフェンの使用に依存していたため、記憶バイアスが生じ、これらの関連性の根底にある分子メカニズムが不明瞭なままになっている可能性がある。
「出生前アセトアミノフェン曝露の母体血液バイオマーカーと胎盤遺伝子発現および子供の注意欠陥多動性障害との関連性」と題した研究で、研究者たちは、テネシー州メンフィスを拠点とする出生コホートである幼児期の神経認知発達と学習に影響を与える条件コホートのデータを分析した。
この研究結果は、ネイチャー・メンタル・ヘルス誌に掲載されている。