なっちゃん

[クリスマスを前に“物がない!” アメリカで深刻な事態]という報道

 


クリスマスを前に“物がない!” アメリカで深刻な事態

TBS NEWS 2021/11/18

アメリカではまもなく、1年で個人消費が最も大きいとされるホリデーシーズンを迎えますが、今年は小売店を中心に深刻な事態が広がっています。

記者 「アメリカではホリデーシーズンを前に書き入れ時を迎えているおもちゃ屋さん。今年は、ある異変が起きています」

ニューヨークにあるおもちゃ屋さん。ホリデーシーズンを前に子どもへのプレゼントを買おうと、客の姿が増えてきました。客がショッピングを楽しむ一方、店のオーナーには今、こんな心配事が・・・

おもちゃ屋のオーナー 「今、お店にあるのはこの棚にあるものだけ。それで終わり。在庫は全くありません」

クリスマス商戦本番はこれからだというのに、すでに在庫がないといいます。

おもちゃ屋のオーナー 「もう忙しくて大変。いつもなら、この時期には注文したものが全て倉庫に準備してあり、あとは売るだけなのに、今年は届かない商品に代わるものを毎日注文しなければいけないのです」

不安を隠せない様子のオーナー。発注表を見せてもらうと、受け取りが完了していないことを示す「0」の表記がずらっと並んでいます。書き入れ時の店を苦しめる、こうした品不足。実は今、アメリカ全土の小売店などで深刻な問題となっているのです。商品は、なぜ届かないのでしょうか。

記者 「ロサンゼルスの港が見える展望台では、きょうも沖合には多くのコンテナ船が荷下ろしの順番待ちをしています」

全米のコンテナの4割を取り扱うロサンゼルス港と、隣接するロングビーチ港。海外から輸入した商品は、荷下ろしの順番待ちをする船の上にありました。例年、スムーズに入港できていた船は16日には82隻も滞留し、平均で2週間以上、待っているというのです。

さらに、陸上でも・・・。港の入り口にはコンテナの積み替えに向かうトラックが大渋滞を起こしていました。全米で運転手が8万人、不足していると言われる一方、荷受けに数時間並ぶこともあるといい、決して効率的に商品が運ばれている状況とは言えません。

運送会社オーナー ビサンテ・モレノさん 「とてもストレスが溜まります。配達するはずの時間のほとんどを並んで待っています」

物流の混乱の背景には、コロナ関連の規制が緩和され、一気に高まった個人消費があります。バイデン大統領は先月、港の24時間化を発表し、目詰まり解消を目指しましたが・・・

ロングビーチ港 マリオ・コーデロ取締役 「この量の積み荷をさばくには、かなりの時間がかかります。2~3か月で遅延が大幅に改善することはありません」

混乱が落ち着くのは来年半ばとの予測もあり、コロナ禍から回復しつつある経済に水を差しかねない事態になっています。