10月7日のハマスの攻撃の数日前に、複数の投資家が「イスラエル株の史上最大規模の空売り」をおこなっていた模様

 

ハマスの攻撃を事前に知っていた投資家たちがいた」ということのようです。

元米国証券取引委員会委員であり、ニューヨーク大学法学部教授のロバート・J・ジャクソン・ジュニア氏らが、報告書を書いています。その概要です。


テロ取引?

papers.ssrn.com 2023/12/04

Trading on Terror?

最近の研究によると、情報を持つトレーダーたちが上場投資信託(ETF)などの経済的にリンクされた証券の取引をますます偽装していることがわかっている。

その研究を軍事紛争に対する金融市場の反応に関する長年の文献と結び付けて、10月7日のハマス攻撃の数日前に、主要なイスラエル企業 ETF の空売りが大幅に急増したことを記録した。

この日の空売りは、金融危機後の景気後退、2014年のイスラエル・ガザ戦争、新型コロナウイルス感染症のパンデミックなど、他の多くの危機の時期に起きた空売りをはるかに上回った

同様に、テルアビブで取引されている数十のイスラエル企業でも、攻撃前に空売りが増加していたことを確認した。

あるイスラエル企業だけでも、9月14日から 10月5日までの期間に 443万株の新株が空売りされ、取引された証券数百株のうち 1株の追加空売りで数百万ドルの利益(または回避された損失に近似)がもたらされた。

米国取引所でのイスラエル企業の空売りの総増加は見られないが、攻撃の直前に、攻撃直後に期限切れとなるこれらの企業のリスクの高い短期オプションの取引が急激かつ異例に増加していることを確認した

ハマスが 10月と同様の攻撃を計画していると報じられた際、イスラエル ETF でも同様のパターンが確認された。

私たちの調査結果は、今後の攻撃について情報を得たトレーダーたちがこれらの悲劇的な出来事から利益を得たことを示唆しており、これまでの文献と一致して、この種の取引は米国および国際的な情報提供取引に対する法的禁止の施行の隙間で行われていることを示している。

私たちは、地政学的出来事に関連した取引に関する文献の増加に貢献し、来るべき軍事紛争に関する情報に基づいて収益性の高い取引を懸念する政策立案者に提案を提供する。