ラード(豚の脂)が腸内微生物叢を良化させるという論文

 


マウスの血清脂質プロファイルおよび腸内微生物叢に対するオメガ 3 が豊富な豚ラードの影響

hindawi.com 2022/11/22

Effects of Omega-3-Rich Pork Lard on Serum Lipid Profile and Gut Microbiome in C57BL/6NJ Mice

概要

背景と目的 高脂血症は心血管疾患の危険因子だ。この研究は、オメガ3が豊富な豚ラードの摂取がマウスモデルの血清脂質プロファイルと腸内微生物叢に及ぼす影響を調査することを目的としている。

方法と結果 23匹のマウス雄(生後16週)を 3つのグループに分け、各グループには対照食であるココナッツオイルの高脂肪食、または、厚豚ラードのオメガ3の高脂肪食のいずれかを 28日間与えた。その後、空腹時血清脂質と糞便マイクロバイオームを分析した。

豚ラードで治療したグループの血清コレステロール、トリグリセリド、LDL レベルは、ココナッツオイルで治療したグループと比較して大幅に減少した。

また、マイクロバイオーム分析により、ココナッツオイル処理グループと比較して、豚ラード処理グループではラクノスピラ科(※ 短鎖脂肪酸を産生する腸内細菌の一種)の存在量が大幅に増加していることが明らかになった。

さらに、相関分析により、血清脂質含量の増加がバクテロイデス科(※ 腸内細菌の一種)、およびラクノスピラ科の存在量と正の相関があることが明らかになった。

結論 これらの発見は、オメガ3が豊富な豚ラードがマウスモデルの血清脂質プロファイルと腸内微生物叢を変化させることを示唆した。

実用化 オメガ3が豊富な豚ラードが高脂血症に対して優れた保護を提供することは、豚ラードが健康志向の人のための代替食用油として使用できることを示している。高脂血症患者向けの機能性成分として導入される可能性もある。