「ザーサイは、腸内細菌環境の調節に良い作用をもたらす」という中国の論文

 

(※) なんでこんなことを調べていたのかといいますと、以前から「ザーサイを食べた次の日など、腸の調子とビッグベンハーの状態がとてもいい」と感じ続けていましたので、調べてみたらありました。

なお、日本で塩漬けではない生のザーサイを手にするのは難しそうですが、もともと以下のような野菜です。

生のザーサイ

sina.cn

中国・重慶の生命科学とバイオテクノロジーの学校である、長江師範大学の研究者たちによる論文です。


塩漬けおよび無塩のザーサイは、腸内微生物叢を調節することにより、高脂肪食による脂質異常症を緩和する::マルチオミクス研究

PubMed 2020/10/23

Salted and Unsalted Zhàcài (Brassica juncea var. tumida) Alleviated High-Fat Diet-Induced Dyslipidemia by Regulating Gut Microbiota: A Multiomics Study

概要
塩漬け加工されたザーサイ (Brassica juncea var. tumida)は、アブラナ科アブラナ属のカラシナの変種で、中国で漬物として広く消費されているが、自然食品としての有塩および無塩ザーサイの健康上の利点についてはほとんど知られていない。

方法
有塩および無塩ザーサイの脂質異常症に対する予防効果が、高脂肪 (HF) 食餌を与えられたマウスで評価された。

12週間連続して、高脂肪食餌を摂取すると、血清総トリグリセリド、総コレステロール、および低密度リポタンパク質コレステロールレベルがそれぞれ 30%、66%、および 117% 上昇したことから明らかなように、マウスに脂質異常症が引き起こされる。

メタボローム解析 (※ ある生物が持っている代謝産物の総体を指す呼称)と 16S rRNA 遺伝子 (※ タンパクの翻訳に関わる重要な遺伝子)の配列決定により、有塩および無塩ザーサイ(2.5% w/w) の食事投与が、マウスの 高脂肪で誘発される脂質異常症や短鎖脂肪酸の代謝障害、および腸内細菌叢の障害を軽減することを示唆した。

これらの無塩ザーサイのプラスの効果は、有塩ザーサイよりも強力だった。

結論
これらの結果は、ザーサイの摂取が腸内微生物叢を調節することにより、高脂肪で誘発された脂質異常症を予防する可能性があることを示唆している。