韓国で「141億匹のミツバチ」が大量死。絶滅に向かっている模様

 


ミツバチ141億匹が大量死…ハチミツが底をつく

hani.co.kr 2023/04/25

벌 141억마리 떼죽음…꿀 다 떨어진 4월

開花期の4~5月に巣箱が空っぽに

韓国養蜂振興院のスン・ジャングォン院長は深いため息をついて、以下のように言った。

「冬の間に飼っていたミツバチの半分を失いました。去年の越冬に入る時期には巣箱が500個を超えていたのに、今は不完全なものまで合わせても300個もあるかどうか。私は肩書上は養蜂を教える立場なんですが、恥ずかしくて言えない」

同氏の養蜂場の片隅には空の巣箱が積んであった。60個は超えているように見えた。

ミツバチは春の花が咲く4月初めから5月中旬にかけて、1年になすべきことをすべてする。

この時期は休むことなくこちらの花、あちらの花と飛び回って蜜を集め、巣箱の中の巣枠を隙間なく埋める。養蜂業者たちは蜜が巣枠の中にいっぱいになるのを待ち、4月末から蜜の採取を始める。ミツバチが巣枠に蜜を満たす時期に空の巣箱が積んであるということは、何か普通ではないということを意味する。

ミツバチが住む巣箱の状態も深刻だった。1つの巣箱には普通 8枚の巣枠が入るが、巣枠が 2~3枚だけの巣箱が多く見られた。ミツバチの数が少ないため、それ以上巣枠を入れることができなかったのだ。

スン院長は「今年は蜜を採取するのをあきらめなければならないと思う」と話した。

今のように巣箱がいっぱいになっていない状態では、蜜を採取するよりミツバチの数を増やすことが先決だという。

スン院長は以下のように語る。

「暖かくなるにつれてミツバチは増えてはいるが、個体数が少なすぎてスピードが上がらない。ミツバチが買えるなら追加料金を払ってでも買いたいが、すべての養蜂農家が被害を受けているので今はミツバチを得ること自体が大変だ」

ミツバチの不足は、2年連続で韓国で発生した大量死のためだ。

韓国養蜂協会は、4月現在で協会所属農家の巣箱 153万7270個のうち 61.4%に当たる 94万4000個でミツバチが死んだと集計している。

巣箱 1つに 1万5000~ 2万匹のミツバチがいることから、少なくとも 141億6000万匹を超えるミツバチが消えてしまったことになる。韓国農林畜産食品部の関係者は「全国の被害状況を調査中だが、昨年より被害規模は大きいようだ」と述べた。

ミツバチの集団死の主犯として関係当局が指摘するのは、ダニの一種だ。このダニは巣箱に寄生し、幼虫の体液を吸って病原性のウイルスをうつす。そのため養蜂農家は毎年、ダニの防除に多大な努力を傾けている。問題は、次第に防除の効果が落ちてきていることだ。

一方で養蜂農家たちは、ミツバチの死は気候危機と関係していると主張する。ダニの異常繁殖も気候変動でなければ説明できないというのが養蜂農家の考えだ。

各自治体は困難に直面している養蜂農家を支えるために、ミツバチを買った際に購入代金の 50%を補助する「ミツバチ入植資金支援策」を打ち出した。ミツバチが 70.6%も減少した慶尚南道は 2月15日、養蜂農家がミツバチを購入すれば巣箱 1個当たり 12万5千ウォン(約1万2600円)を補助すると発表している。

ミツバチが 60%減った全羅南道も先月 28日、巣箱1個当たり 20万ウォン(約12万1000円)の入植資金を補助すると発表した。資金の補助は、各養蜂農家が個別にミツバチを購入し、その後、確認手続きを取れば購入代金の50%が支給されるという方式。

しかし、養蜂農家は「ミツバチがいてこそミツバチが買える。いないミツバチをどこで買えというのか」と不満を漏らす。

このような状況は自治体も分かっている。

慶尚南道畜産行政係のパク・トンソ係長は以下のように語る。

「現在、養蜂農家は地域を問わずミツバチを得るために努力しているが、採蜜期前に欲しいだけミツバチを得るのは事実上不可能だ。道が補助する入植資金は今年の採蜜のためのものというより、長期的観点から養蜂飼育基盤を回復するためのものと理解してほしい」

スン・ジャングォン院長は「ミツバチは地球の生態系にとって非常に重要な生物だ。イチゴ、マクワウリ、スイカ、唐辛子などをミツバチで受精させる施設栽培農家は、追加料金を払ってもミツバチが手に入らず、すでに困難に直面している」と話した。