米国のクレジットカードの債務不履行が14年ぶりの高水準に急増





クレジットカードの債務不履行が14年ぶりの高水準に急増

pymnts.com 2024/12/30

Credit Card Defaults Surge to 14-Year High

米国の消費者がますます苦しい状況にあると感じていることから、クレジットカードの不履行率は 2010年以来の最高水準となっている。

フィナンシャル・タイムズ(FT)が 12月29日に報じたところによると、カード貸付業者は今年最初の 9か月間で深刻な延滞ローン 460億ドル(約 7兆2000億円)を帳消しにしたが、これは 2023年より 50%増加している

これは14年ぶりの高水準だと同紙はバンク・レグ・データがまとめた業界データを引用して伝えている。

報告書によれば、こうした貸倒れは、貸し手が借り手が債務を返済する可能性が低いと判断したときに行われ、大規模な融資難の尺度とみなされている。

「高所得世帯は大丈夫だが、米国の消費者の下位 3分の1は資金が枯渇しています」とムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ代表は言う。「彼らの貯蓄率は今やゼロなのです

フィナンシャルタイムズは、この債務不履行の急増は、長年にわたるインフレと借入コストの上昇により消費者が直面している経済的プレッシャーを示していると指摘している。

「消費者の購買力は低下しています」と消費者信用調査会社ウォレットハブの責任者オデュッセアス・パパディミトリウ氏はフィナンシャルタイムズに語った。

今月初めにここで取り上げたように、PYMNTS Intelligence の調査によると、少なくともいくらかのカード債務を抱えている消費者の割合は 74.5% と広範囲に及んでいる。

この割合は所得レベルを問わずほぼ一定だが、給料日前に生活費を工面し、支払いに苦労している消費者の場合、 90%以上に跳ね上がる。

一方、最近の連邦準備制度のデータによると、米国のクレジットカード負債は増加を続けており、9月の 5兆930億ドルから 10月には 5兆1130億ドル(約 800兆円)に達した

また、ニューヨーク連邦準備銀行が 11月に発表した信用アクセス調査のデータによると、消費者は自動車ローンや住宅ローンの融資を受けるのがより困難になっており、特に信用スコアが低い消費者はそれが顕著だった。

ニューヨーク連銀はデータに添付されたプレスリリースで、「クレジットカード、住宅ローン、自動車ローン、クレジットカード限度額延長申請、住宅ローン借り換え申請の拒否率はいずれも 2024年に上昇した」と述べた。