精神疾患の治療におけるN-アセチル-L-システイン(NAC)の可能性
PMC 2022/03/22
概要
N-アセチル-L-システイン (NAC) は、精神疾患の治療において関心が高まっている化合物だ。
NAC は、主にその抗酸化作用、抗炎症作用、グルタミン酸調節作用により、神経発達障害、統合失調症スペクトラム障害、双極性障害、うつ病、不安障害、強迫性障害、物質使用障害、神経認知障害、慢性疼痛の治療において研究されてきた。
複数の精神疾患の治療における NAC の使用については、十分な前臨床証拠と理論的正当性があるが、ほとんどの疾患における臨床試験で、さまざまな結果が得られている。
ただし、ほとんどの研究は検出力が不十分で、おそらく期間が短すぎ、NAC による治療を数か月行って初めて効果の証拠が得られたものもある。
現在、NAC は統合失調症、重度の自閉症、うつ病、強迫性障害および関連障害の陰性症状に対する補助剤として有益な効果があるという証拠が最も多くある。
十分な期間にわたる十分な検出力のある研究による今後の研究は、精神疾患の治療における NAC の有用性をより深く理解するために重要になる。