「オミクロンは細胞の早期の老化を誘導する」という論文

 

オミクロン対応ワクチンでも同様の「早期の細胞老化」状態が起きている可能性があります。


SARS-CoV-2 ミクロン変異体の独自の発病メカニズムを解明: 細胞老化の選択的誘導

aging-us.com 2023/12/12

Uncovering a unique pathogenic mechanism of SARS-CoV-2 omicron variant: selective induction of cellular senescence

概要

背景: SARS-CoV-2 の変異体は、スパイクタンパク質の立体構造にさまざまな変化を伴って絶えず出現しており、その結果、ウイルスの侵入メカニズムが変化する。オミクロン変異体だけがエンドソームのクラスリン(※ 細胞膜におけるさまざまな輸送やシグナル伝達に重要な役割を持つ)媒介侵入を使用する。

我々は、細胞の早期老化に対する影響を研究するために、定義された変化したスパイク形成の影響を調査した。

方法:我々の研究では、ヒト初代小肺胞上皮細胞と ex vivo (※ 生体外に取り出した)ヒト肺切片を用いて、SARS-CoV-2 の変異体であるデルタ(B.1.617.2)とオミクロン(B.1.1.529)の in vitro (※ 試験管内で)感染を分析した。

我々は、新型コロナウイルス感染症患者のヒト肺における細胞老化を確認した。したがって、感染したヒト初代肺胞上皮細胞の全体的な遺伝子発現パターンが、mRNA シーケンスによって同定された。

結果:SARS-CoV-2 のオミクロン変異体のみが細胞周期遺伝子の発現に影響を及ぼし、これはヒト初代肺細胞およびヒト ex vivo 肺における p21 (※ 細胞周期を止め、増殖を停止させる働きを持つ遺伝子)発現の増加によって強調された。

さらに、上方制御された老化関連分泌表現型 (SASP) が検出された。トランスクリプトームデータは、オミクロン感染肺細胞における p16 (※ 老化に関係したがん抑制遺伝子)および p38 (※ ストレスを被った細胞に細胞死を誘導する)の遺伝子発現の増加を示している。

結論:我々は、ヒト初代肺胞上皮細胞におけるさまざまな SARS-CoV-2 感染による、早期老化に対する全体的な影響を伴う重大な変化を特定することができた。

オミクロン感染細胞における細胞周期、炎症およびインテグリン関連経路の上方制御を伴う実質的に異なる細胞応答は、細胞の早期老化を示す。