バングラデシュは燃料価格の急上昇を発表し、インフレの懸念を煽る
ロイター 2022/08/07
Bangladesh announces fuel price jump, stokes inflation fears
石油価格の上昇を背景に、政府が史上最大の 52% もの値上げを行った後、多数のバングラデシュ人が全国の燃料ステーションを包囲した。
ロシアのウクライナ侵攻により、世界のエネルギー価格が急騰しているが、景気後退への懸念が高まる中、ここ数週間、石油価格は下落している。
バングラデシュ政府は 8月5日の深夜からガソリンの価格が 51.7%、ディーゼルが 42.5% 上昇すると発表した。
オートバイのライダーたちは、値上げが発効する前に、全国のガソリンスタンドに競って給油を試みた。一部のスタンドは販売を一時停止し、散発的な抗議行動が発生した。
デモ参加者は、この値上げは国民に不釣り合いな打撃を与えるだろうと述べた。多くのバングラデシュ人たちがディーゼルを使って輸送や農業の灌漑ポンプに動力を供給している。
バングラデシュは、ウクライナでの戦争をきっかけにエネルギー価格の上昇に見舞われており、発電所の燃料を調達するのに苦労している。
発電容量の全体の 10%を占めるディーゼル発電所は、一部のガス火力発電所と同様に停止されている。
バングラデシュでは、ここ数週間、1日最大 13時間の停電が発生している。
バングラデシュのインフレ率は 9か月連続で 6%を超えており、7月の年間インフレ率は 7.48%に達し、貧困層と中所得層の家庭に圧力をかけている。
政府は国際通貨基金に 45億米ドル (約5,800億円)を要求した、とデイリースター紙が報じた。
バングラデシュの通貨タカは、過去 3か月で対ドルで約 20%下落し、経常収支赤字は 170 億米ドル (約2兆2000億円)に達し、国の財政をさらに弱体化させている。