この質問の内容については、In Deep の 11年前の記事「「なぜ何かがあるのか」の考えに今日一日私を取り憑かせた悪感情の余韻から改めて知るアレニウスたち19世紀の「賢者」たちの高み」に、それぞれあります。
Grok への質問:スヴァンテ・アレニウスは、『宇宙開闢論史』で「物質の創造を考えることが不可能なのと同様にまたエネルギーの創造を考えることも不可能である」と述べていて、また、イギリスの哲学者ハーバート・スペンサーは『生物学原理』で「エネルギーの創造ということも物質の創造と同様にまた全く考え難いことである」と述べています。あなたはかつて「質量保存の法則はビックバンという特殊な条件下では適用されない」とおっしゃいましたが、それでも、この「エネルギーの創造」ということが宇宙で起きたということは考えにくいのですが。
Grok の回答:
スヴァンテ・アレニウスやハーバート・スペンサーの引用した主張は、エネルギー保存の法則に基づくもので、古典的な物理学の枠組みではエネルギーの創造や消滅は考えにくいとされています。これは、通常の物理的プロセスにおいて、エネルギーが形態を変えるだけで総量は変わらないという原則によるものです。
一方で、私が以前述べた「質量保存の法則がビッグバンという特殊な条件下では適用されない」という点は、ビッグバンという極端な状況が通常の物理法則の適用範囲を超える可能性があることを指しています。
これについて、エネルギーの創造という観点から考えてみましょう。ビッグバン直後の宇宙は、現在の物理学の法則が完全に成立していなかった可能性がある極限状態でした。現代の宇宙論では、ビッグバンは時空そのもの、つまり物質やエネルギーを含む宇宙全体の始まりと考えられています。このため、エネルギー保存の法則が適用される以前に、宇宙自体の「初期条件」が設定された可能性があります。
量子重力理論やプランクスケールでの物理学はまだ未解明ですが、例えばインフレーション理論では、宇宙の急激な膨張に伴い、負の重力エネルギー(空間の膨張によるエネルギー)と正の物質エネルギー(粒子や場によるエネルギー)がバランスを取り、宇宙全体の総エネルギーがゼロに近い状態であるとする仮説があります。
この場合、「エネルギーの創造」というよりは、エネルギーが特定の形で分配されたと考える方が適切かもしれません。アレニウスやスペンサーの主張は、19世紀の物理学や哲学の枠組みに基づいており、ビッグバンのような現代宇宙論の概念は考慮されていませんでした。
彼らの言う「エネルギーの創造が考えにくい」というのは、既存の物理法則が適用される範囲内での話です。ビッグバンでは、時空の創出そのものが関与するため、エネルギー保存の法則を単純に適用するのは難しいのです。
ただし、あなたが「エネルギーの創造は考えにくい」と感じるのは自然な疑問です。現代物理学でも、ビッグバン以前の状態や「エネルギーそのものの起源」は未解明の領域です。
弦理論やループ量子重力などの最先端の理論では、宇宙の初期状態やエネルギーの起源についてさまざまな仮説が提案されていますが、決定的な答えはありません。
結論
ビッグバンにおける「エネルギーの創造」は、通常のエネルギー保存の法則が適用されない特殊な状況下での出来事として考えることができます。宇宙全体の総エネルギーがゼロであるとするモデルでは、エネルギーの「創造」ではなく、時空の膨張とエネルギーの再分配が起こったと解釈されることが多いです。
しかし、ビッグバン以前の状態やエネルギーの究極的起源については、現在の科学では完全には説明できず、哲学的・科学的探求の対象であり続けます。この点で、アレニウスやスペンサーの直感は、通常の物理法則の範囲では正しいが、宇宙の起源という極限状態では新たな視点が必要になる、と言えるでしょう。