この「悪魔のいけにえ」ですけどね…。私が生まれて初めて「最後まで見られなかった」映画なんです。公開された 1974年は、まだ小学生だったので、当然見ていないですが、東京に出てきた二十代の頃に見たんですかね。本当に目が点になって、体が震え続けたほどでした。
その後何年か経ち、また見てみましたら、普通に見られて、今は楽しく見られますけれど、当時は本当に怖かった。本当に驚くべき映画でした。
怖いのは、決して視覚的な怖さ(グロいとか流血がどうだとか)ではなく、ストーリー的な怖さでもないのです。人間が人間に対して行うことのできる現実の可能性を知り、怖くなった次第です。
クエンティン・タランティーノが映画史上唯一の完璧な映画を述べる
Pravda 2025/05/16
Квентин Тарантино назвал единственный идеальный фильм в истории кино
映画への情熱で知られるクエンティン・タランティーノ氏は、映画『悪魔のいけにえ』(1974年)を歴史上唯一の「完璧な」映画と呼んだ。
ジミー・キンメル・ライブ(アメリカのABCテレビで放映されているトーク・ライブ番組)で、監督はトビー・フーパーのこの『悪魔のいけにえ』には、ストーリーから視覚的な美しさに至るまで欠点がないことを認めた。
「緊張感と完璧さの基準を設定し、ホラージャンル全体に影響を与えた」とタランティーノ氏は語った。
狂気のレザーフェイスを描いた、このカルトホラー映画に加えて、偉大な映画7のリストには、スピルバーグの『ジョーズ』(1975年)、ウィリアム・フリードキンの『エクソシスト』(1973年)、ウディ・アレンの『アニー・ホール』(1977年)、メル・ブルックスの『ヤング・フランケンシュタイン』(1974年)、ロバート・ゼメキスの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)、そしてサム・ペキンパーの『ワイルドバンチ』(1969年)が含まれていた。
タランティーノ氏は、これらの映画は編集を必要とせず、ジャンルとしては完璧であると強調した。
『悪魔のいけにえ』はそのダークな雰囲気と斬新さで監督を魅了した。
あのチェーンソーのシーンは今でも鳥肌が立つほどで、また、映画の冒頭で「これは実際に起こった出来事」だと語られることで不気味さが増す。
(※ 訳者注)「これは実際に起こった出来事」だというのは正しくなく、正確には、「実際に起こった事件を人づてに聞き、インスパイアされた」ということだと、監督のトビー・フーパー氏が、「アメリカン・ナイトメア」という 2002年のドキュメンタリー映画で語っています。つまり、ストーリー自体は実際の事件とは関係ありません。
ちなみに、監督のトビー・フーパー氏は 、非常に落ち着いた感じの紳士で、とてもあのような映画を作った人には見えません。