プーチン氏、ウクライナ停戦案に同意せず

(参考記事)ウクライナ停戦という空想の夢舞台
In Deep 2025年3月17日





プーチン氏、ウクライナ停戦案に同意せず-インフラ攻撃のみ制限

ブルームバーグ 2025/03/19

トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領は 18日、ウクライナ停戦案を巡り電話協議を行った。プーチン氏は、ウクライナのエネルギーインフラに対するロシアの攻撃を制限すると約束したが、米国が求めていた 30日間の停戦には同意しなかった

ホワイトハウスが会談後に発表した声明によると、両首脳は「完全な停戦と永続的和平」および「黒海における海上の停戦」に向け交渉を開始することで一致した。中東で協議を「直ちに」開始するとしているが、詳細は明らかでない。

ロシア側の説明によれば、プーチン大統領は永続的な停戦の前提として複数の条件を要求した。ウクライナへの兵器・情報支援の停止がこれに含まれる。

クレムリン(ロシア大統領府)は「紛争の拡大を防ぎ、政治的・外交的手段による解決を目指すには、ウクライナへの外国からの軍事支援の完全停止、および機密情報の提供停止が重要な条件であるべきだ」と指摘した。

ロシア側の立場は「30日間戦闘を完全に停止し、双方がより長期的な合意をまとめる」というトランプ政権の要求には程遠い

プーチン氏が停戦を拒否したにもかかわらず、トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、今回の協議を「非常に良い、生産的なもの」だったと評価し、「和平協定の多くの要素が話し合われた」と説明。

プーチン氏とウクライナのゼレンスキー大統領は戦争終結に向け合意を望んでおり、「そのプロセスは現在、本格的に始動している。願わくは人類のためにやり遂げたいものだ!」とコメントした。

米国とロシアがそれぞれ発表した会談要旨には重大な食い違いが含まれる恐れがある

米国側は両首脳が「エネルギーとインフラ」の停戦に合意したと発表し、ロシアがウクライナのエネルギー資産に加え、橋や道路など構造物を標的にしないと示唆した。

トランプ氏は、ソーシャルメディアへの投稿でも、「われわれは全てのエネルギーとインフラに関する即時停戦で合意した」と同じ表現を繰り返した。

しかしロシア側の説明では、「エネルギーインフラ」に対する攻撃の一時停止のみで合意が成立した。

いずれにせよ、トランプ氏はロシア側の要求を受け、ウクライナに武器を送り続けるかどうか決断を迫られる。