死亡率が極めて高い真菌感染症「カンジダ・アウリス」が全米に拡大中

 

カンジダ・アウリスについての厚生労働省の文書はこちらにあります。なお、アメリカでは、他にもさまざまな真菌感染症が拡大中です。

(参考記事)アメリカ人の免疫に何が起きている? 各地で「結核」や「稀な真菌感染症」のクラスターが続発
地球の記録 2023年4月16日


致死性の「カンジダ・アウリス」真菌感染症、米国全土に急速に拡大、死亡率60%

irishstar.com 2024/02/09

Deadly ‘Candida auris’ fungal infection spreading rapidly across US with 60% death rate

致死性の真菌感染症が米国全土に急速に広がっている。

死亡率が 60%にも上る「カンジダ・アウリス」として知られる、この希少な真菌は、薬剤耐性があり、医療施設内で容易に蔓延し、致死率が高いと医師たちは警告している。

ワシントン州は先月、初の感染者を確認した。アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は、この真菌に感染した患者の 3人に 1人以上が死亡すると警告した。

2024年1月10日に最初の感染者を報告した後、シアトルとキング郡は先週さらに 3人の感染を発表した。

キンドレッド病院シアトル・ファーストヒルは、患者は、「蔓延を防ぐための追加の臨床予防措置と洗浄予防措置を講じて、他の患者集団から適切に隔離されている」ことを確認した。

この致死性の真菌は通常、免疫系が低下している人に影響を及ぼし、いくつかの一般的な抗真菌薬に耐性がある。

これは 15年前に初めて出現したが、それ以来、カンジダ・アウリスの感染率は急増している。2021年に米国で確認された臨床症例数は 2,377人で、2017年から 1,200パーセント以上という驚異的な増加となった

CDCは、カンジダ・アウリスが血流、開いた傷、耳など全身に感染症を引き起こす可能性があると警告している。

マクガヴァン医科大学の感染症教授ルイス・オストロスキー博士は、この真菌の危険性を強調している。

同氏は、「これは医療現場で非常に効率的に広がる能力を備えた潜在的に多剤耐性の病原体です」と述べ、その蔓延を無視すれば「悪夢のようなシナリオ」につながる可能性があると警告した。