[「BTSの涙の会食」実際は3週間前に撮影]という韓国報道

 

(※) 仕手株……。


「BTSの涙の会食」実際は3週間前に撮影…疑いを招いたHYBE

中央日報 2022/06/23

BTS(防弾少年団)の「真のバンタン会食」は14日夕方遅くユーチューブのBTSチャンネルで公開された。BTSは思い出の多い宿舎の契約期間が終わったとし、最後にこの場所で飲み会を開いた。一部ではこれを「ライブ」に誤認したが、この映像はBTSがジョー・バイデン米国大統領に会いに行く前に撮影されたものだ。

56分が過ぎたごろ、BTSのシュガは「これが公開されたごろにはホワイトハウスにも行ってきただろう」と話す。BTSの米国出国日が先月29日だから映像撮影日はその前だったということだ。インスタグラムなどに公開されたメンバーの写真などを確認すると、撮影時点は先月20~21日と推定することができる。

問題は会食撮影と映像公開まで2~3週間の時差があったという点だ。一般的なアイドルグループの自主的なコンテンツ映像が後ほど公開されるのは何も問題がない。だが、BTSは上場企業HYBE(ハイブ)の核心収益源だ。この日、BTSが動画で知らせた「個人活動に注力する」という発言はHYBEの収益性に疑問を投げて市場に大きな衝撃を与えた。

実際に、該当映像が公開された翌日HYBEの株価は24.87%も暴落した。この日、時価総額は2兆ウォン(約2090億円)近く蒸発した。このため、「2兆ウォンの晩餐」だったという指摘も出る。

BTSのファンに真心を伝えることができたかもしれないが、HYBEの投資家には違った。2~3週前に撮影されたユーチューブ映像で上場企業の主な情報を知らせるのが妥当だったのかという不満が出るしかない。

証券街では10日、BTSの新アルバム『Proof』発表以降にもHYBEの株価が下落傾向から抜け出せないとこれをいぶかしく思う雰囲気があった。BTSの9周年をまとめるアルバムであるうえに、タイトル曲『Yet to Come』が各種国内外の音源チャート1位にのぼったからだ。反騰を期待してきた証券街ではBTSに関連した各種デマが広がるなど原因に対する分析に出たりもした。

重大な決定と発表の間の時間が過度に長い場合、内部情報が漏れる危険性も大きくなる。偶然にもHYBEの株価は会食映像の公開一日前である13日11%近く落ち、映像公開日だった14日にも3%以上下落して2日連続で新低価格を記録した。もちろん、これだけで不当取り引きが起きたとみる証拠はない。

資本市場研究院のファン・セウン研究委員は「(映像公開一日前である)13日に株価が大幅に下がったが、一日だけでその他には通常の騰落とみられる」として「外部から観察される情報を見ると、内部者の取り引きなどを疑うほどの明確な情況が見えない」と話した。

主な情報が企業内で共有されるのは違法でないが、これを利用して損失危険の回避など私的な利益を得た場合には処罰の対象になる。

HYBEはアーティストなどに関連した危機発生状況に先制対応するためにコミュニケーション総括(CCO)直属にリスクマネジメント(危機管理)チームを構成して運営している。

この組織の核心は所属アーティストがかんばしくない事件にかかわらないように管理するチームだ。事故防止のためにあらゆるモニタリングを行い、事前に予防活動も遂行する。特に、問題を遮断するために練習生・所属アーティストの教育にも力を注いできた。国内PRチーム、グローバルコミュニケーションチーム、デジタルコミュニケーションチームなどで構成されたコミュニケーション室は統制不可能な危機対応のための組織だ。

だが、結果的に所属事務所の危機管理関連チームは会食コンテンツが及ぼす波及力の予測に失敗した。あるアナリストは「なぜこのように仕事をするのか理解し難い」とし「上場エンターテインメント企業の代表株であるHYBEの対応方式が業界全般に悪影響を及ぼしている」と批判した。

HYBEが「涙の会食」の公開が及ぼす影響をなぜあらかじめ確認しなかったのか、あるいはなぜ見逃したのか経緯は不明だ。中央日報はHYBE側にこれに関連して質問をしたが、説明しにくいという趣旨の回答を受けた。

エンター上場企業が所属グループの重大な懸案をユーチューブで先に明らかにするのは果たして問題がないのだろうか。

HYBEはコスダック市場以外にエンターテイン企業と違って上場要件が難しい有価証券市場で取り引きされている。

韓国取引所は様々な場合を並べて公示する必要がある事案を定めておいた。たとえば、資産2兆ウォン以上の上場企業が直前年度の売上額の2.5%を超える生産や取り引きが中断された場合、公示しなければならない。HYBEの昨年末資産総額は4兆7000億ウォンに達する。HYBEの売り上げでBTSが占める割合は概略70%程度と知られている。

もちろん、アイドルグループの活動方式の変化を製造企業と同様に適用することは難しい。だからといって上場企業の売り上げに大きな影響を及ぼすことを事前に決めたにもかかわらず、投資家に何も措置を取らなかったというのは不適切だという声もあがる。

漢陽(ハンヤン)大学校経営学部のイ・チャンミン教授は「BTSの活動計画はヒョンデ自動車にたとえれば工場のシャットダウン問題のような重要なこと」とし「かつてなかった形の会社なので理解できても、十分に公示事項と見なす余地がある」と指摘した。

匿名を求めた証券業界要人も「会社の売り上げの相当部分の責任を負うグループの決定をユーチューブを通じて公開し、さらに時差があったとすれば資本市場で問題と見なせる事案」と指摘した。

他の関係者も「列挙された公示項目ではなくても投資家の保護に重要なことでれば公示しなければならない。例えば、『特定グループの解散をすることにしてそのグループが重大な収入源だ』といえば、包括公示の対象になることができる」と話した。

反面、中央(チュンアン)大学経営学科のパク・チャンギュン教授は「上場企業である以上、確かに株主とのコミュニケーションが重要だ」とし「資本市場の特性を考慮してもう少し洗練されて注意深い発表だったなら良かったが、BTSのコミュニケーション方式を資本市場の観点だけで批判することは難しい」という意見を提示した。

HYBEの危機管理システムが俎上に上がったのは今回が初めてではない。HYBE傘下レーベルのソースミュージックのガールズグループLE SSERAFIMのメンバー、キム・ガラムの学校暴力をめぐる論議に対処する過程も俎上にあがった。

4月LE SSERAFIMメンバーの顔が公開された直後から始まった暴露にもデビュー(5月2日)は日程通りに強行され、結局被害者側が代理人を通じて学校暴力対策自治委員会の結果通知文書を公開して一段落した。文書公開以降、これを認めたソースミュージックはキム・ガラムの活動休止を宣言して謝罪したが、「キム・ガラムも学校暴力の被害者」という立場を明らかにして「2次加害」という指摘も受けた。