[小麦粉大乱が始まった]という韓国報道

 


ウクライナ情勢も反映されていないのに…小麦粉輸入価格22%急騰=韓国

中央日報 2022/04/05

小麦粉大乱が始まった。輸入量は大きな変化がないが価格は天井知らずだ。即席めんやパンのような加工食品に外食物価まで相次ぎ上がる状況になった。

4日の韓国農水産食品流通公社農食品輸出情報(KATI)によると、2月の小麦粉輸入量は2090トンで1年前と比較し1.6%の小幅の減少となった。だが輸入金額で見ると199万8400ドルで21.8%増加した。同水準の量を1年前より20%以上高値で輸入したという意味だ。

他の小麦原料も同様だ。2月の小麦でんぷん輸入量は3276トンで前年比10.5%増えたが、輸入額では163万7500万ドルで20.4%の増加だ。家畜配合飼料として主に使われる小麦くずもやはり輸入量が38%増加したが輸入額は95.1%と2倍近くに高騰した。

新型コロナウイルスによるサプライチェーン不安にウクライナ情勢が重なり国際穀物価格が急騰している。韓国農村経済研究院海外穀物市場情報統計を見ると、1日基準で小麦の国際価格は1トン当たり361.74ドルで前年同期比61.1%上がった。大豆は31.3%、トウモロコシは12.9%など他の穀物価格も上昇した。

問題は韓国の小麦粉大乱はまだ入口にすぎないという点だ。

ロシアのウクライナ侵攻の影響は3月の輸出入実績にはまだまともに反映されていない。今後輸入価格と物価に段階的に影響を及ぼす見通しだ。戦争による黒海地域の穀物生産量減少、対ロシア輸出入制裁の影響で価格がさらに上がるだろうという観測も出ている。

韓国で消費される小麦の大部分は外国産だ。国際穀物価格の上昇は即席めん、菓子、パン、などの加工食品価格や外食物価と直結するほかない。仁荷(インハ)大学消費者学科のイ・ウンヒ教授は「小麦などの穀物は国内需要の大部分を輸入に依存している上に各種食品・外食物価に及ぼす影響が大きい。コロナ禍によるサプライチェーン不安の長期化とウクライナ情勢により食品物価が追加で急騰すると予想される」と話した。

政権引き継ぎ委員会も新政権発足に合わせて食糧安全保障対策をまとめることにした。この日政権引き継ぎ委員会の全体会議で権寧世(クォン・ヨンセ)副委員長は「韓国の食品大企業はウクライナ情勢の変化の兆しが見えた当時に先制的に小麦を大量購入して影響を最小化しているが、これに対し町内のベーカリーや粉食店など小商工人はコロナ禍で厳しい状況がさらに悪化した」と指摘した。

その上で権副委員長は「(食糧)価格急騰は尿素水供給難の時よりはるかに深刻な社会的危機を呼び起こしかねない。分科別に喫緊の問題が何かを検討した上で政権引き継ぎ委員会レベルの民生安定対策作りが切実だ」と明らかにした。