「イラク、年末までに現金取引を完全に非ドル化へ」という報道

 


イラク、年末までに現金取引を完全に非ドル化へ

Cradle 2023/10/05

Iraq to fully de-dollarize cash transactions by year’s end

イラク中央銀行(CBI)の投資・送金局長マゼン・アーメド氏によると、イラク政府は 2024年1月1日から全ての現金引き出しと米ドルでの取引を禁止する。

イラク中央銀行当局者は、2023年末までに銀行にドルを預けた人々は来年も引き続きこれらの資金をドルで引き出すことができると述べた。

ただし、2024年に預け入れられたドルは、公定レート 1,320ディナールの現地通貨でのみ利用可能となる。

米国の銀行が 1000億ドル以上(約15兆円)の外貨準備を保有しているバグダッドは、経済が崩壊しないように米国当局者の意志に大きく依存している。さらに、2003年以来、イラクの石油収入はすべて米国連邦準備制度の口座に支払われるようになり、ワシントンがイラク経済を管理し、政府に圧力をかけることができるようになった。

10月5日、ウォール・ストリート・ジャーナルは、米当局者が先月、イラクの石油売却益から追加で現金10億ドルをイラクに送金することを承認しなかったと報じた。

伝えられるところによると、この動きは、ホワイトハウスによる最近の制限が「ドルのパニック買いと取引所によるドルの買い占めを引き起こした」ことを受けて、イラクの現金備蓄を守るために石油収入へのアクセスが必要だと主張したイラク当局者たちを激怒させたという。

伝えられるところによると、米財務省当局者らはイラク中央銀行当局者に対し、「大規模な追加輸送は、より容易に追跡可能な電子取引を支持してイラクによる米紙幣の使用を削減するという米国政府の目標に反する」と語ったという。

1,000億ドルを超える外貨準備金が米国によって人質に取られており、米国政府はイラク経済と銀行システムに対して大きな影響力を持っている。

7月、米国財務省は、米国政府が 制裁によって経済を窒息させようとしているイランへの米ドル送金を容易にしたとして、イラクの民間銀行14行を制裁した。

この結果、イラクの 72銀行のうち 3分の1近くが現在、ドル取引の促進を禁止されている。

イラク国会議員でイラク下院財政委員会の委員でもあるフセイン・ムアネス氏は、 5月のクレイドル紙の独占インタビューで次のように語った。

「イラクが経済的に米国に支配されていることは明らかであり、我が国の政府は自らの資金を真に管理したりアクセスしたりすることはできません…特にドルの覇権国家となっている現在、ドルの覇権から離れることが重要であると我々は確信しています。イラクが自国の通貨に頼るべき時が来ました」