[台風14号 宮崎、農地一面まるで湖に… 高知でも農業被害]という報道

 


台風14号 宮崎、農地一面まるで湖に… 高知でも農業被害

日本農業新聞 2022/09/20

大型の台風14号が通過した宮崎県では、大雨や暴風の被害が相次いで発生した。作付けが始まっている施設園芸ハウス、収穫前の普通期米や飼料用作物など、圃場(ほじょう)の冠水被害が確認された。資材高騰などで大きな打撃を受けている農家のさらなる負担と苦労が懸念される。

19日午前11時、宮崎県国富町太田原地区の農地は、一面が湖に見えるほど冠水した。同町で長年、同地域の排水機場の役員を務める農家の小倉国照さん(71)は「1993年の台風13号以来の冠水。一昼夜でこれだけ冠水するとは誰もが考えていなかったのでは」と、ハウスを見つめた。

水に漬かった一帯のビニールハウスではキュウリやピーマンが既に作付けされている他、加温器やトラクターなどの機材をハウスで管理している生産者も多いという。

自身もニラ12アール、水稲20アール、飼料稲100アールを栽培する小倉さんは「自分も置いていた防除機が冠水したかもしれない」と話し、仲間の被害を心配そうに確認していた。

 

定植直前に…

台風14号による被害は、中心から遠く離れた高知県でも出ている。気象庁によると、19日午前9時41分、高知県の室戸岬で最大瞬間風速33・1メートルを記録。同県では、ハウスのビニールが破れるなどの被害があった。

高知市春野町でハウスキュウリを栽培する大庭啓太さん(33)の13アールのハウスも、被覆するビニールが破れる被害があった。ハウスは、畝づくりなどの準備をして、来週のキュウリの定植を待つばかりだった。

大庭さんは「昨夜は大丈夫だったが、明け方の強風で破れた。骨組みが傷んでいないのが幸い。苗は待ってくれないので、フィルムを張り替え、定植を進めたい」と話した。