中国電力、今期最終赤字1390億円 規制料金上げ検討
日本経済新聞 2022/09/13
中国電力は13日、2023年3月期の連結最終損益が1390億円の赤字(前期は397億円の赤字)になりそうだと発表した。
2期連続の最終赤字で、過去最大の赤字額となる。ロシアのウクライナ侵攻や円安進行で資源価格が高騰しているためで、全ての電気料金の引き上げ検討に着手する。
滝本夏彦社長は13日の記者会見で、「設備投資への影響も出ており、安定供給に支障をきたしかねない状況だ」と説明した。
一般家庭向けの規制料金を含めて引き上げを検討する。具体的な引き上げ幅や引き上げ時期は今後詰める。規制料金を引き上げれば約40年ぶりだ。
23年3月期の連結売上高は前期比43%増の1兆6200億円、経常損益は1860億円の赤字(前期は618億円の赤字)を見込む。
燃料価格が上昇する一方、「燃料費調整制度」で電力料金にすぐに転嫁できず、負担が膨らむ。一部の料金メニューで上限が設けられていることも重荷となる。
同社は通期の業績予想と配当予想について、夏場の電力需給や為替、燃料価格の動向が不透明だとして公表していなかった。
過去最大の最終赤字となる見通しを踏まえて、配当は中間・期末とも無配とする。前期は年間40円だった。無配転落に伴い、現在15%減らしている役員報酬を10月からは当面、30%減額する。