米国の農業は貿易戦争による関税危機に近づいているのではなく、すでに「本格的な危機」にあると農家は言う
CNBC 2025/04/28
U.S. agriculture isn’t nearing a trade war tariff crisis, it’s in a ‘full-blown crisis already,’ farmers say
ドナルド・トランプ大統領率いるスコット・ベセント財務長官が「持続不可能な関税戦争」と呼ぶ状況を回避するため、米国は多くの国、特に中国と貿易協定を締結する必要があるが、その期限は刻々と迫っている。
しかし、米国の農業セクターでは既にダメージが顕在化し、経済危機は既に始まっている。
米国の農産物輸出業者は、トランプ大統領の関税に対する世界的な反発が、特に中国による米国農産物の購入減少を通じて、輸出注文のキャンセルや人員削減につながるなど、自分たちに打撃を与えていると述べている。
農家のための主要な輸出貿易団体である農業輸送連合(AgTC)のピーター・フリードマン事務局長は、CNBCに対し、 米国農産物の購入キャンセル件数は「危機に近づいているのではない」と述べた。「そうではなく、すでに本格的な危機だ」と彼は述べた。
米農務省が発表したデータによると、中国は 2020年以降で最大規模の豚肉注文のキャンセルを行い、1万2000トンの豚肉の出荷を停止した。
農業輸送連合は、会員企業から受け取っている報告に基づき、貿易戦争の結果、会員はすでに「莫大な」経済的損失を被っていると述べた。
木材パルプと板紙の輸出業者は、倉庫にある 6,400トンの貨物の即時キャンセルまたは保留と、サプライチェーンで「デマレージ」と呼ばれる、商品の移動遅延に対して料金が請求される状態で 15両の貨車が滞留していることを業界団体に報告した。
一方、輸出業者は、9,000トンの製品が中国に向けて海上輸送中で、5月13日に到着する予定だが、中国の買い手が貨物を拒否して港に放棄する可能性があるため、中国の保税倉庫または他国への高額な転用という脅威に直面していると述べた。
ある牧草種子輸出業者は、農業輸送連合に対し、船舶の予約がすでに入っているにもかかわらず、中国の顧客から 8つの貨物がキャンセルされるとの通知を 2週間前に受けたと語った。