日本国債が世界最大の損失を記録、日銀の金融政策正常化で金利上昇
ブルームバーグ 2025/03/31
日本銀行が昨年利上げにかじを切ったことを受け、日本国債が世界の債券市場で過去最大の損失を記録した。投資家は日本国債に対する戦略を再考している。
鍵となるのは2025年度の国債利回りがどの程度上昇するかだ。一部のファンドマネジャーは、10年債の利回りが24年度ほど急激に上昇することはないとみている。
為替レートの変動を除いたブルームバーグのデータによると、日本の国債は過去12カ月で5.2%下落し、ブルームバーグが分析した世界44の国債市場の中で最悪のパフォーマンスとなった。
下落は6年連続で、1990年以来最大の落ち込みになる。これは、日銀の金利見通しが他の中央銀行と異なるために起きたことだ。
金利上昇により、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)や全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)などの投資家は、1138兆円の日本の債券市場に対する投資戦略の再考を余儀なくされている。一部のファンドマネジャーは10年債の利回りが28日の1.545%から2%まで上がると見込む。
日銀は昨年3月に世界で最後のマイナス金利を解除して以降、金利を3度引き上げた。一方、米国からユーロ圏に至るまで他の中央銀行は金融緩和策を講じており、スイスの金利は日本を下回っている。日本の10年債利回りは27日、2008年以来の高水準を付けた。
超低金利の時代が何十年も続いた後に国債利回りが上昇に転じたことは、特に海外投資家にとってチャンスだ。物価連動国債を除く日本の国債市場は、英国、フランス、イタリアを合わせた規模より大きい。
日本証券業協会のデータによると、2月には残存期間が10年超の日本国債に海外から過去最多の資金が流入した。
三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは、ファンダメンタルズに合った金利水準への回帰がすでに起きているとみており、その調整が続く新年度はさらに債券が売られる可能性があるとの見方を示した。