ニューヨーク市場の金先物価格が史上初の3000ドルを突破





金の先物価格、NY市場で史上初の3000ドル突破…トランプ関税に警戒感

読売新聞 2025/03/14

13日のニューヨーク市場で、金の先物価格(中心限月)が史上初めて1トロイ・オンスあたり3000ドル(約31グラムあたり約44万円)を超えた。トランプ米大統領の関税政策による景気減速への懸念などを背景に、この1年で約4割高騰した。「安全資産」として知られる金の高騰は、投資家の先行きへの不安を反映している。

13日の取引で、金価格は一時、前日比2%高の1トロイ・オンスあたり3001・50ドルまで上昇した。

トランプ氏は12日、輸入される鉄鋼やアルミニウム製品に追加関税を課した。13日には、欧州産のワインやシャンパンなどのアルコール飲料に200%の関税を課す方針も明らかにした。

輸入品の値上がりによってインフレ(物価上昇)が再燃し、景気が後退するとの懸念が強まっており、株式などを売って金を買う動きが広がった。

景気の下支えのため、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを進めるとの観測があることも、利息を生まない金の魅力を相対的に高めている。トランプ氏がいずれ金に関税を課すとの思惑も高騰の一因だ。

また、トランプ政権は欧州への安全保障支援を縮小する方針だ。欧州などでの地政学的リスクの高まりが意識され、金が買われやすい状況となっている。