英国がデジタル運転免許証を導入へ





英国、デジタル運転免許証を導入し「公共サービスの変革」へ

Guardian 2025/01/18

UK to introduce digital driving licences to ‘transform public services’

英国は、政府がテクノロジーを使って「公共サービスを変革」することを目指しており、今年デジタル運転免許証を導入する予定だ。

運転免許証のデジタル版は、既存のグーグルやアップルのウォレットに追加されるのではなく、政府アプリの仮想ウォレットで利用できるようになる。投票、アルコールの購入、国内線の搭乗時に身分証明書として受け入れられる可能性がある

物理的な免許証は引き続き発行され、新しいデジタルIDは必須ではないが、政府はこの動きはテクノロジーを使って「人々の生活を楽にし、公共サービスを変革する」という公約の一環だと述べている。

政府報道官は「テクノロジーの進歩により、デジタルIDは物理的なIDよりも安全になる可能性があるが、デジタルIDを義務化することはないと明言している」と述べた。

この仮想ウォレットは、多くの銀行アプリと同様のセキュリティ対策が講じられているとされており、生体認証や多要素認証など、スマートフォンに組み込まれたセキュリティ機能を通じて、それぞれのライセンスの所有者だけがアクセスできることになる。

考えられる機能には、バーや店舗など特定の状況でユーザーが住所を隠せるようにしたり、スーパーマーケットのセルフレジで仮想免許証を使って年齢確認をしたりすることなどが含まれる。

政府は、税金の支払いや給付金の請求、国民保険番号などの身分証明書などの他のサービスをアプリに統合することを検討していると言われているが、トニー・ブレア元首相やウィリアム・ヘイグ元首相が推進していた国民IDカードの義務化までは至らないだろう。

英国では約 5000万人が免許証を所持している。オーストラリア、デンマーク、アイスランド、ノルウェーでも同様の取り組みがすでに行われている。

また、欧州連合(EU)は加盟国に対し、2026年までに少なくとも1種類の公式デジタルIDを開発することを義務付けており、これが域内で受け入れられることになる。